一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 3I-06
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口頭発表 5月28日 食物
熊本県葦北地方における「おせち料理」43年後の変化
*米村 友子佐藤 哲
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キーワード: おせち, 和食, 伝承
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抄録

目的 「和食」は、ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中で食されている。日本では、洋食化が進み、中食や外食が多い傾向だが、現代の日本人は、「和食」を喫食しているだろうか。筆者が、1974(昭和49)年に実施した「おせち料理」に関する調査資料が保存されていた。43年後の2016(平成28)年に、同じ葦北地方の高校生に同様の調査を実施することで、日本の伝統的食文化である「和食」が伝承されているかを検証する。
方法 1974年実施の資料を元に調査用紙を作成した。調査期間は、2016年1月1~3日、対象生徒196名、留め置き自記式で実施した。伝統的な「おせち料理」を中心に、三が日に喫食した料理について分析した。
結果 1974年実施の調査では、対象生徒44名が全員「おせち料理」を喫食していた。内43名は家庭での手作りであった。一本物のブリを卸して、刺身・吸物・塩焼き等に調理している。「雑煮」の喫食者は37名で、「雑煮」か「吸物」の汁物を食した者は43名だった。2016年の調査では、「おせち料理」の喫食者は93名(47.4%)であった。食べなかったと回答した103名の中で、52名が「家に用意されていなかった」と理由を挙げている。「あったが食べなかった」が21名、「おせち料理でないものを食べた」が17名と続いた。クロス集計の結果、「おせち料理」喫食の有無は、祖父母との同居とは無関係ということなどが分かった。

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