主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
目的 赤米は、古来より我が国で栽培されてきた古代米の一種である。近年の健康志向の高まりにより、ポリフェノールやビタミン類を多く含む赤米は3次機能の点から注目を集めている。一方、赤米の炊飯米は食味が悪く、赤米の混合割合の増加に伴い食味が低下することが報告されている。栄養性と機能性を有する赤米について、その活用と利用拡大のために調理方法の開発が求められている。そこで本研究では、赤米の炊飯米を米飯パンに用い、赤米の搗精度が製パン性に及ぼす影響について検討した。
方法 米飯パン用の米は、赤米(うるち種)「純系日本赤」(平成24年、岐阜県産)を用いた。食パンは中種法にて調整した。小麦粉を米飯で置換したものを米飯パンとし、小麦粉パンの乾物重量として10~50%を置換した。加水量は、炊飯米の吸水量と合わせて180gとした。製パン性(比容積、物理特性、色彩構成)に関して得られたデータは、分散分析法(Tukey法)により有意差を検討した。米の成分分析は常法を用いた。玄米の炊飯米を用いたパンを玄米パン、精白米を用いたパンを精白米パンとした。
結果 玄米パンと精白米パンを比較した場合、前者はいずれの配合割合においても後者よりも比容積が高く、特に30~50%パンにおいて顕著だった。硬さは、玄米パンの方が精白米パンより硬くなった。凝集性や付着性については、米の搗精の有無はあまり影響しなかった。