一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2F-04
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口頭発表 5月27日 住居
南九州における隠居家の変遷とその住生活に関する住文化研究(第2報)
日南市南郷地区の事例調査報告
*米村 敦子
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キーワード: 南九州, 隠居家, 住文化
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抄録

目的:本研究は南九州における隠居家の変遷と住生活の特性について住文化の視点から探求し、その実態と今日的意義を明らかにしようとするものである。本報では、日南市南郷地区において実施した事例調査より、隠居家と伝統的住宅の現状と経年変化について報告する。
方法:宮崎県日南市で隠居家の伝統を残す南郷地区において、隠居家及び伝統的住宅4棟の住民聞き取り調査・住宅実測調査を実施し、その現状と同地区で行った前調査からの経年変化を調べた。南郷地区は旧南郷町、2009年に日南市に併合され、人口10,100人、高齢化率37%、柑橘類の栽培と漁業の盛んな半農半漁地区である。調査期間は2016年11月~2017年2月。
結果:事例1)A家では、昭和初期の隠居家が残されており、前調査から、手摺り・スロープの付設とトイレ改築の変化がみられた。事例2)B家では、明治中期の主屋と昭和初期の隠居家が平成5~6年の同時期に解体、新築されていた。事例3)C家では高齢夫婦に変化はなく、隣地に子どもが住んで世話をする、主屋が実質的隠居家となっていた。事例4)D家では、大正初期建設後、昭和50年に茅から瓦屋根にする改築以降、変化は少なく、近年、高齢者寝室が子ども部屋になり、高齢夫婦は元来の若夫婦部屋に住み替えされていた。多様な現状と変化の実態が認められた。(平成27~29年度科研費助成研究 基盤研究(C) 代表者:米村敦子)

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