一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2H-01
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口頭発表 5月27日 食物
卵巣摘出ラットにおけるAMPキナーゼシグナリングに対するエストロゲン補充及び摂食制限の影響
*河上 瑞穂森本 恵子
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抄録



目的 女性では閉経後にエストロゲン欠乏によるエネルギ-代謝異常が起こりやすく、ライフスタイルの適正化をはかる必要がある。そこで、本研究では閉経モデルラットを用いて、エネルギ-代謝の調節に重要なAMP-activated protein kinase(AMPK)シグナリングにおけるエストロゲン補充の影響について検討すると共に、摂食制限の効果についても検討を加えた。

方法 成熟雌性ラットを卵巣摘出後偽薬補充(Pla)群、卵巣摘出後エストロゲン補充(E2)群に分けた。さらに、Pla群をControl群、Pair feeding群に分けた。Pair feeding群はペレット補充後(13週齢)から、E2群の前日の平均摂食量を与え、摂食制限を行った。17週齢にて安楽死させ、肝臓、腓腹筋を摘出し、AMPK、AS160、及びそれらのリン酸化タンパク質発現量を測定した。

結果 E2群ではPla群より体重や腹部内臓脂肪重量が減少したが、Pair feeding群との間に差は見られなかった。また、E2群では、Pla群に比べ肝臓・腓腹筋におけるAS160タンパク質発現量の増加、腓腹筋のAMPKαリン酸化の増加傾向が見られたが、Pair feeding群ではE2群と同程度であった。以上より、卵巣摘出ラットに対するエストロゲン補充及び摂食制限は腓腹筋のAMPKα活性化とAS160発現を増加させて、糖代謝を促進することが示唆された。

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