一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-126
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ポスター発表 5月27・28日 住居
小学生のいる家庭の防災対策と住まい方
熊本地震後の近隣県を対象とした調査より
*鈴木 佐代内 瑞穂
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キーワード: 住教育, 防災, 住生活, 小学校
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抄録

目的 本研究は、防災や安全を意識した住まい方を日常的に継続させていくための住教育について検討することを目的としている。九州地方は、台風や火山などの自然災害は経験しているが、地震被害の経験が少なく地震に対する防災意識が低いことが指摘されてきた。本研究は、鹿児島県の家庭を対象に、熊本地震発生後の防災の意識や対策、および日常の住まい方を明らかにし、小学生を対象とした住教育の提案をめざす。
方法 鹿児島県T小学校を対象にアンケート調査を実施した(2016年10月)。小学校5・6年生103名と保護者81名の有効回答を得た。
結果 1)保護者の約8割は、地震や防災に関心があるが、家具の固定や転倒防止、非常持ち出し品の準備等の防災対策の実施率は2割以下である。熊本地震後に備えをするようになったという家庭は少なく、近県で地震が発生しても行動に結びつかなかったと言える。2)児童は、約6割が地震や防災に関心を持っており、熊本地震は関心を持つきっかけとなっていた。しかし、自宅の防災対策の状況については「わからない」が多い。3)身の回りの物の収納について、児童・保護者ともに日常の使い勝手は考慮しているが地震時の安全性までは考慮していない。4)児童は自分の持ち物の配置を自身で決めている。自分の持ち物を管理するようになる年齢段階に、安全性の側面から生活財管理について学習し、日常の暮らし方が防災・減災につながることを伝えていくことが必要であろう。

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