一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-127
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ポスター発表 5月27・28日 住居
地域における母子生活支援施設の居住・子育て支援の可能性について
*金指 有里佳小池 孝子定行 まり子
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抄録

目的 本研究の目的は、DV避難や生活上の困難によって母子生活支援施設に入所する母子世帯の施設退所後の居住問題から、母子生活支援施設がどのような居住支援を行えるか、また児童福祉施設の一つとして地域でどのような子育て支援の役割を担えるか可能性を探ることである。
方法 東京都内の母子生活支援施設の職員を対象に、民設民営3カ所、公設民営1カ所の計4カ所にヒアリング調査を実施した。内容は、母子世帯の退所後の住居や地域における支援の展開等である。
結果 退所後はアフターケアやDV避難の様々な事情から、施設としても母子世帯も施設近隣の都営住宅への入居を望む場合が多いが当選が困難な地域がある。退所後に地域生活に慣れるためにも、近隣の民間戸建住宅でのグループホームに類似するシェア居住や民間アパートでの一時的な居室運営を考える施設もあるが、都内に広い戸建住宅は少なく空き室の確保も難しい。また、自治体の子ども家庭支援センターを併設する施設は、センターと連携し施設の母子世帯以外にも子育て支援を利用する地域のひとり親世帯の事情を把握する一翼を担っている。一方で、自治体の補助金がなくなりやむを得ず夜間学童保育を廃止した施設では、地域と関わる機会を持てなくなったことが認められた。母子生活支援施設が母子世帯の住居及び地域のひとり親世帯の子育てを支援するには、自治体や地域が施設の福祉的役割を再認識し支援の連携を図ることが重要と考えられる。

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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