一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 2I-05
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口頭発表 5月27日 被服
ゆかた着装がきもの文化への関心に及ぼす効果
事前の生徒の実態やゆかた着装後の活動の効果に注目して
*大矢 幸江薩本 弥生
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抄録

目的 きもの文化を伝承する意識を高めることをねらい、中学校・高校でゆかたの着装を含む授業実践を行った。学校の特徴、授業内容の違いに着目し、「きもの文化への関心」の向上にはどのような要因が関わるかを明らかにし、その要因の影響力を検討することを目的とする。
方法 2013年に中学校2校、2014年に高校2校と中学校1校、全5校を対象に授業実践を行った。授業ではゆかた着装を軸にし、着装後にはファッションショーやお辞儀などのワークを実施した。ゆかたの着装やその後の活動の影響を明らかにするために、授業前後のアンケート調査および教師へのインタビューを実施した。
結果 アンケート回答の因子分析から、授業前2因子、授業後4因子の6因子が抽出された。その要因間の関係をパス解析すると、中高生ともに授業後の「きもの文化への関心」は授業前の「服への興味関心」「ゆかたへの興味関心」、授業後の「ゆかた着つけ理解習得」「ゆかた着装への意欲・高揚感」の各因子からの影響を受け高められていることが示され、着装授業の有効性が示された。授業の内容の違いからは、授業前の「ゆかたへの興味関心」が最も低い学校でも着装後のワークの実施によって、ワークなしの学校より事前のゆかたへの興味の低い状態の割に「きもの文化への関心」を高められることが明らかとなった。着装後のワークは、ゆかたを体感し味わう時間となり「きもの文化への関心」を高めるのに有効であることが示された。

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