一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 3D-05
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口頭発表 5月28日 環境・福祉
戦後日本の障害乳幼児支援の歴史的展開過程における通園事業と保育所の関係性
*田中 謙
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抄録

目的 戦後日本における障害乳幼児支援の歴史的展開過程において、保育所や幼稚園と通園施設および通園事業がどのような関係性のもとで障害乳幼児支援を担ってきたのかに関しては、十分な実証的研究の蓄積がなされていない現状がある。そこで本研究は公立通園事業の一つである立川市「ドリーム学園」を事例に、特にドリーム学園の「リエゾン機能」に焦点を当てながら、通園事業と保育所との関係性を明らかにすることを目的とする。
方法 本研究ではドリーム学園が創設され、立川市立保育所で障害児保育が実施され始めた1970年代に焦点を当て、『立川市手をつなぐ親の会二十周年記念誌』『立川市議会会議録』等を分析史資料として採用しながら、歴史的展開過程の検討を行う。
結果 ドリーム学園は1971(昭和46)年に創設された立川市立の心身障害児通園事業である。ドリーム学園では「障害児といえども本来通園通学の場は、ふつうの幼稚園、保育園、学校、医療的施設等でなければならない」との支援者の考えから、「本指導室の存在意義がこれら公的機関へはいるための橋渡しの役目を負うところにある」とされ、「すべての障害児が受けいれられるような社会制度の開発と充実」を「本指導室自らが社会全体に訴えてい」くための「リエゾン機能」の強化を図っていった。ドリーム学園は障害幼児を「立川市立柴崎保育園」「立川市立中砂保育園」等と「リエゾン」していく機能を有する通園事業であったと考えられる。

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