主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
目的 「社会で子育てする」ことが多方面で模索され、家庭科においても、子育てや子育ちを実践的に学ぶ機会の重要性が指摘されている。保育の実践的な学びとして、保育体験学習の効果は蓄積されてきているが、保育体験学習前後の学習の仕方や柔軟な体験的方法が求められている。本論では、体験的に学ぶ保育学習教材として、(母と子の健康記録としてすべての妊産婦に交付され長期利用される)母子健康手帳に着目し、高校家庭科での保育学習教材の可能性やその課題について検討する。
方法 母子健康手帳の教育利用の実態を調査し、その中で高校家庭科での活用実態について整理した。主体的な学びとしての保育教材として1母子健康手帳の特徴、2教育利用の実態、3高校家庭科での母子健康手帳の活用実態、4家庭科教員へのインタヴュー調査を行った。調査時期:2018年1月
結果 高校家庭科教科書の記載内容では、1妊娠時の経過、2福祉制度で母子健康手帳を説明していた。高校家庭科の教員へのインタヴュー調査では、母子健康手帳を紹介・活用している教員は少なくないが、個人情報などの課題があり、注意しながら活用していた。このように高校家庭科での母子健康手帳の活用には差があり、高校家庭科教員への学習機会や、授業実践モデルが求められる。