一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2E-12
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口頭発表
モデル学区におけるサロンネットワークの検証
地域コミュニティとしてのふれあい・いきいきサロンの包括性と持続性に関する研究その2
*中村 久美
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抄録

目的 地域コミュニティとしてのサロンの重要性をふまえ、前報では持続可能なサロン活動の課題を明らかにした。本報はサロンの包括性(一人でも多くの高齢者を包含)に着目し、モデル地域の活動を検証する。
方法 宇治市22小学校区中、最もサロン立地密度の高い学区をモデル地区に選定。運営代表者へのヒアリング、利用高齢者への質問紙調査等を実施。調査期間2017年7~10月。調査対象サロン12、質問紙有効票117.
結果 訪ね合う近隣を持たない高齢者(22.2%)、立ち話をする人もいない高齢者(13.2%)もサロン関係者に声をかけられ活動に参加している。彼らは「生活情報を得られる」「地域事情がわかる」点でサロンを評価し、日常、非日常に頼りにする人としてサロン関係者をあげている。サロン利用者の60.6%が地域との関わりがない高齢者の存在を平均4.4人認識しており、そのうち87.8%がサロンに誘ったり彼らの情報をサロン関係者等に知らせている。またサロン利用者の66.7%がサロン関係者以外の近隣とサロンを話題にしている。学区内にサロンをめぐる情報ネットワークが構築されているといえる。さらに1/3が学区内の複数サロンに参加しサロン間の情報をつないでおり、他サロン未参加者の64.5%は他のサロンへの参加希望を有する。本モデル学区ではサロン代表者の連絡会をも立ち上げ、地域コミュニティの1つの核としてサロンが位置づけられる。

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