一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2E-11
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口頭発表
歩きやすい住環境へ向けたコミュニティ組織の活動
ー英ブリストル市サウスヴィル地区を事例としてー
*原 わかな薬袋 奈美子
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抄録

高齢者の平均寿命と健康寿命は男性で約9年、女性で約12年の乖離があり、その差は若干広がる傾向にある。日常的な歩行時間の増加は健康寿命の延伸対策のひとつとされており、その為には外出の機会を促し、自宅周辺を歩きやすい環境に整えることが望まれる。
英国ブリストル市サウスヴィル地区においては、住民主体のコミュニティ組織であるSouthville Community Dvelopment Associationにより住民の外出を促し、楽しく、安心して近隣を歩けるまちにするための様々な取り組みを行っている。“Good Front Garden Award(前庭コンクール)”により、住民の自宅前庭の手入れを促進するだけでなく、近所の素敵な前庭を見るために住民がまちを歩き回るようになった。“Window Wonderland(窓デコレーションイベント)”は、日頃は行かない通りを歩く機会となり、日が暮れるのが早い冬季の夜に道に人が出てくるようになり、安全性向上にも寄与している。“Green Walkway(ウォーキングルート)“の整備は、住民が時を選ばずに気軽に参加が可能な活動である。様々な活動に参加することで住民同士の接点が増え、また共通の話題を持つことで、住民の交流も促進するという効果も現れており、それが更に住民の外出の推進へと繋がっていることが確認できた。本研究はJSPS科研費17K00800の助成を受けたものである。

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