主催: (一社)日本家政学会
会議名: 70回大会(2018)
回次: 70
開催地: 日本女子大学(東京)
開催日: 2018/05/25 - 2018/05/27
[目的] フレンチメレンゲをモデルとして乾燥微粉砕した精白米と干し椎茸を添加した調理特性について報告した1)。今回は12種類の農産食品微粉末を添加し,分離液量および焼成メレンゲへの影響を検討した。
[方法] 穀類,豆類,野菜類,きのこ類,海藻類および茶葉をDB-320で粉砕した。生卵白30.0gに砂糖0%~100%を加え,微細粉を2%,4%添加した際の分離液量(mL)を180分まで計測し,メレンゲの安定性への影響を調べた。2%添加試料は焙焼し,菜種法により体積を測定,比重を得た。焼成メレンゲの外観は嗜好意欲尺度を用いて評価した。吸水率,吸油率は遠心分離により得た。
[結果] 平均粒子径18μm(玄米)~50μm(押麦)の微細粉を添加した生メレンゲの分離液量は試料によって異なっていた。茶,ワカメ,ヒジキは抑制(p<0.01),精白米,小豆,干し椎茸も抑制傾向がみられた。玄米,トウモロコシ,大豆の分離液量が多くなったのは油脂を含む食品素材であるためと推測した。一方,藻類,干し椎茸,茶の吸水率は,2g / 試料1g以上と高く,卵白水分を保持するためと考えた。干し椎茸は,疎水性の指標となる吸油率も高いため,気泡の安定に寄与したと考えた。焼成すると,いずれのメレンゲの体積も小さくなる傾向であった。微粒子の大きさ,食品素材の成分の影響が考えられる。1)日本食品科学工学会第63回大会要旨集p157,2016