一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-173
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ポスター発表
入院患者の病気後に感じる味や匂いの変化に関する調査
食種・治療別の比較
*古川 香田中 隆介城田 直子峯木 眞知子
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抄録

【目的】
都内2病院の入院患者331名を対象とし、病気後の味や匂いの感じ方について病気前と比較したアンケート調査を行い、第1報で報告した。その中から、高血圧・心臓病食、糖尿病食の喫食患者、 抗がん剤治療および透析患者を抽出し、食事や味覚・嗅覚状況を分析した。その分析より、食種別に病院食を作成すべきかどうかを検討する。
【方法】
入院患者331名(回収率は67.7%)を対象としたアンケート調査を留置き法により実施した(調査時期平成28~29年)。高血圧・心臓病食(高心群:26名)、糖尿病食(糖尿群:17名)および抗がん剤治療患者(抗がん剤群:14名)、透析患者(透析群:15名)を抽出して、分析した.
【結果】
食欲があると回答した患者は、高心群61.5%、糖尿群82.4%であったのに対し、抗がん剤群35.7%、透析群33.3%であった。食欲がないと回答した患者は、高心群、糖尿群は少なかったが、抗がん剤群28.6%、透析群33.3%では多かった。抗がん剤群、透析群では、「食事量が減った」「匂いが気になる」「味の感じ方が変わった」「味がわかりにくい」などの回答比率が高かった。病気後の味の感じ方では、塩味、苦味、辛味がわかりにくくなったと回答した患者が多かった。抗がん剤群では、酸味とうま味が敏感になったと答えた患者が多かった。 味については、食種別に注意する必要があると考える。

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