一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-172
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ポスター発表
食物アレルギー児を持つ母親のQOL,育児ストレス,食生活負担に関する検討(第1報)
*山田 直子後藤 のり子宮澤 洋子土田 満
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抄録

目的 食物アレルギー(FA)児の母親における負担が大きいことが報告されているが、QOL、育児ストレスに関する報告は限られている。QOLについては一定の見解が得られておらず、育児ストレスについては家族の役割調整や相談援助の必要性が示唆されている。今回、FA児を持つ母親へのサポート体制を明らかにすることを目的に、QOL、育児ストレス等を検討した。
方法 A県B市内の4保育園に通園する児童の母親を対象とし、2017年3~4月にアンケート調査を実施した。FA群18名と非FA群84名におけるQOL(WHOQOL26)、育児ストレス(養育意識・行動尺度)、食生活負担等を比較検討した。
結果 母親のQOLは、全年齢(1歳1ヶ月~6歳11ヶ月)では「主観的な健康状態」で、FA群が非FA群より有意に高く、「精神性・宗教・信念」、「思考、学習、記憶、集中」はFA群が低い傾向にあった。3歳未満では、「社会的関係」で、FA群が有意に低かった。育児ストレスは、全年齢では、因子分析により抽出された4つの下位尺度でいずれも有意差は認められなかった。3歳未満では、「育児生活のストレス」でFA群が低い傾向にあり、「育児のために自分は我慢している」項目が有意に低かった。食生活での負担は、全年齢では、FA群で食品の原材料表示を気にしているが、友人宅へ遊びに行く傾向が認められた。FA児の特に3歳未満を持つ母親におけるサポートの必要性が示唆された。

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