一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: 2E-06
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口頭発表
公営住宅における生活用品配置の実態
都営戸山ハイツ居住高齢者を対象に
*古賀 繭子定行 まり子
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抄録

目的 公営住宅は高齢の長期居住者が多い一方で、生活用品は増加傾向にあるため、衛生的で健康的な居住環境維持のためには生活用品の整理が必要となる。そこで本研究は高齢居住者の住まいにおいて、増加する生活用品の種類及び配置を把握すると共に、高齢者のライフスタイルを明らかにすることで、住戸内居住環境整備に必要となる要件を抽出することを目的とする。
方法 調査対象は都営戸山ハイツ居住者9名とし、2017年2月から6月に直接訪問による観察及び聞き取り調査を実施した。対象者1名に対し、2名の調査員が訪問し、約2時間、観察及び聞き取りを行った。
結果 日常的に使用していない居室は物置化し、不使用品増加が明らかとなった。同様にバルコニーも不使用品の仮置きが目立ち、日常的に目に入らないため、仮置きが長期化し、結果、処分を負担に感じることから不使用品が増加している。また、台所は家族人数が多かった時期に使用していたものの、現在は不使用の鍋や調理道具、食器等で収納が占領され、使用している食器の収納は限定されている。そのため、日常的に使用する調味料、飲料、食料品等が床に直置きされ、緊急避難時に危険な状態となっている。また衣類の増加が著しい世帯は、衣類の室内への溢れ出しがみられ、ベッド等就寝場所上部に衣類が吊るされ、安全とは言い難い状態であることが明らかとなった。

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© 2018 一般社団法人 日本家政学会
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