2020 年 60 巻 p. 195-214
学校教育における合理的配慮に着目して、関係する法令等や学習指導要領との関連を踏まえながら、通常の学級における発達障害等のある児童生徒への支援のあり方について概説した。また、小学校通常の学級担任を対象に発達障害等の特別な支援を必要とする児童への学習指導上の問題点や支援に関する調査を実施することによって担任の支援状況を把握するとともに、合理的配慮の3観点との関連についても明らかにした。学習指導上の支援は、合理的配慮「教育内容・方法」の「学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮」、「情緒・コミュニケーション及び教材の配慮」を中心として、障害特性や学習の基盤となる意欲・態度面及び書字指導への支援など、多岐に渡ることが判明される。合理的配慮について教科ごとの配慮点や、特別支援学校の自立活動の指導との関連で、通常の学級における支援のあり方を論考した。