肩関節
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脱臼
腱板修復術により腱板構成筋群の筋萎縮,脂肪浸潤は改善しうるか?
濱野 哲敬山本 敦史小林 勉設楽 仁一ノ瀬 剛下山 大輔佐々木 毅志高岸 憲二角田 陽平大澤 敏久
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キーワード: 腱板断裂, 筋委縮, 脂肪浸潤
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2014 年 38 巻 3 号 p. 810-814

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抄録

腱板修復術後の筋萎縮・脂肪浸潤の変化について検討を行った過去の報告は,腱板修復術の手術操作そのものによる影響を考慮しておらず正確な評価がなされていない.本研究の目的は腱板修復術により腱板構成筋群の筋萎縮,脂肪浸潤が改善しうるか,術後早期と術後1年のMRIを用いて検討することである.2010年4月から2012年3月の間に肩腱板断裂の診断にて鏡視下腱板修復術を行った52例52肩を対象とした.筋萎縮の評価はThomazeauらの方法に準じて,棘上筋,棘下筋,肩甲下筋のOccupation ratioを計測し,脂肪浸潤の程度は同じスライスでGoutallier分類に準じて評価した.修復術後2週と1年でのそれぞれの評価を比較検討すると,筋萎縮は棘上筋のみで有意に改善し,この変化は中断裂以下で認められ,脂肪浸潤は棘上筋,棘下筋,肩甲下筋の全てで有意に改善し,この変化は大・広範囲断裂例で認められた.

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© 2014 日本肩関節学会
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