抄録
肩鎖関節脱臼に鏡視下烏口鎖骨靱帯再建術を施行してきた.簡便な術式とするために,円錐靭帯再建用のターゲットデバイスを独自に考案した.また,術後亜脱臼予防のために直視下三角筋縫合術を鏡視下手術に2012年以降追加した.対象は20例,全例が鎖骨からの三角筋剥離を認めるRockwood分類typeVであった.また,7例に直視下三角筋縫合術を追加した.体位はビーチチェアーポジションで肩甲上腕関節内操作を主体に行った.最終診察時における治療成績をUCLA スコアで評価すると平均28.9点であった.肩鎖関節は15例が整復位,4例は亜脱臼,1例は完全再脱臼であった.直視下三角筋縫合術を追加した7例中6例は整復位と良好であり,ターゲットデバイスを使用し骨孔作成に要した時間は7例全例で10分未満であった.ターゲットデバイスを用いることで骨孔作成は容易となったが,本術式は発展途上であり今後の検討が必要である.