抄録
Hill-Sachs損傷が生じる肢位を明らかにするために,反復性肩関節前方脱臼患者100人100肩のCT画像を用い解析を行った.解析には画像解析ソフトAmiraを使用した.上腕骨と肩甲骨それぞれの3次元骨表面モデルを作成し,肩甲骨を固定したまま上腕骨を動かしHill-Sachs損傷の陥凹に関節窩の前縁をかみ込ませ,その時の肩関節の肢位を計測した.Hill-Sachs損傷と関節窩前縁がかみ込む平均の角度は外転74 ± 20度,外旋27 ± 20度,水平内転4 ± 21度であった.本研究結果からHill-Sachs損傷はいわゆる脱臼肢位(外転外旋位)より小さな外転および外旋角度で生じていることが分かった.この結果は脱臼肢位がより小さな外転および外旋角度である可能性,もしくはHill-Sachs損傷が脱臼時ではなく脱臼後により小さな外転および外旋角度で生じている可能性が考えられる.