肩関節
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骨折
上腕骨近位端骨折に対する保存療法の治療成績
高瀬 勝己山本 謙吾
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2015 年 39 巻 2 号 p. 440-444

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抄録
 60歳以上で大結節単独骨折と定義される以外の上腕骨近位端骨折の保存治療成績を検討した.対象は治療後1年以上の経過観察が可能で,脱臼骨折を除外した上腕骨近位端骨折21例である.受傷時平均年齢は77歳,平均経過観察期間は2年5ヵ月であった.これらのJOAスコア,単純X線前後像より得られた骨癒合有無,骨癒合期間,骨頭大結節間距離(HHH)および頚体角を調査した.また,HHHあるいは頚体角とJOAスコアの相関関係を検討した.骨癒合は大小結節に骨折がない上腕骨近位端骨折5例中4例以外の17例に認め,HHHは平均2.5 mm,頚体角は平均140.7°,JOAスコアは平均86.6点であった.結果として保存治療による残存した変形治癒は,治療成績への影響が乏しかった.しかし,大小結節に骨折がない上腕骨近位端骨折は骨癒合不全を発生する頻度が高く,保存治療を選択肢と考えることは再考すべきであった.
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© 2015 日本肩関節学会
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