抄録
上腕二頭筋腱(以下LHBT)病変と肩甲下筋腱(以下SSc)損傷には関連性があるが,その治療法には論議の余地がある.我々は可能な限りLHBTを温存するように努めており,その術式と臨床成績を報告する.2012年以降当教室にて腱板断裂手術を施行し術後約半年でMRIを施行した96名97肩を対象とした.全例まず関節鏡視を行いLHBT病変と,SSc病変を評価した.その上でLHBTが残存している症例では温存し,SScをアンカーを用いて縫合した.SSc損傷は97肩中45肩(46.4%)に認めた.SSc修復群の日本整形外科学会肩関節評価(以下JOA score)は術前64.6点から術後94.1点へ改善を認めた.SScの断裂は認めなかった.LHBTには肩関節の安定化機能もあり我々は可能な限り温存するように努めている.SScを修復しLHBTの安定性を得られれば温存可能であり良好な臨床成績を得られた.