2015 年 39 巻 3 号 p. 623-627
今回関節鏡所見でHill-Sachs lesion(以下HSL)に形態的特徴があることに注目したので報告する.
対象は2011年10月 ~ 2014年4月までに当科で肩関節前方不安定症で手術を行った56例.男性41例,女性15例.鏡視所見から形態的に4型に分類し,また総脱臼亜脱臼回数と各typeとの関連を統計学的に比較した.
結果はcyst type 7例 gutter type 12例 island type 20例 wide type 17例.各typeと総脱臼回数との間には有意差があった.各typeと幅との間には有意差はなかったが,総脱臼回数が増えるにつれ,HSLの幅が広がる傾向があった.
考察.HSLを形態的に分類した報告は渉猟しえる限りで現在までない.
我々の結果では,各typeと総脱臼回数との間に有意差があった.また各typeと幅との関係性は有意差はなかったが,総脱臼回数が増すにつれ幅が広がる傾向があった.
結論.HS lesionには形態的特徴がある.