肩関節
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39 巻, 3 号
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解剖
  • 橋本 瑛子, 落合 信靖, 佐々木 裕, 山口 毅, 木島 丈博, 佐々木 康人
    2015 年 39 巻 3 号 p. 600-604
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     腱板断裂の基礎研究において動物モデルは有用だが,断裂直後に追加処置を行う急性モデルの報告が多く,ヒト肩関節に構造が類似するとされるラットを用いた腱板断裂慢性モデルは確立されていない.本研究の目的は,ラット腱板断裂慢性モデルを確立し,肉眼的及び組織学的評価を行うことである.10週齢SDラット40匹を用い,棘上筋と棘下筋を大結節より切離し腱板断裂を作製し,断裂型に採型したレジンを上腕骨に固定し慢性モデルを作製した.腱板断裂作製のみの断裂群,慢性モデル群,Sham群の3群で,術後4週,12週で肉眼的評価とマッソン・トリクローム染色による組織学的評価を行った.ラット腱板断裂慢性モデルでは,術後12週においても全例で断裂部の肉眼的形態は維持され,その際に腱板の再縫合も可能だった.組織学的にも,術後12週において進行した腱断端の変性を認め,今後このラット腱板断裂慢性モデルの,より臨床に直結した二期的な研究への使用が期待される.
検査
  • 道家 孝幸, 廣瀬 聰明, 芝山 雄二, 杉 憲, 水島 衣美, 今村 塁, 岡村 健司
    2015 年 39 巻 3 号 p. 605-607
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     腱板広範囲断裂患者では臥位で上腕骨頭が上方化し,肩峰上腕骨頭間距離(AHI)が減少することが知られており,診断に有用である.しかし必ずしも最短距離を計測していないこと,肩峰下面が判別しにくいことがあることが問題である.我々はAHIをより正確に評価するために,トモシンセシスによるAHI評価を試みた.本研究の目的は単純X線とトモシンセシス,3D-CTでAHIを評価し,トモシンセシスにおけるAHI計測の妥当性を検討することである.対象は腱板断裂肩35肩で,単純X線,トモシンセシス,3D-CTのAHIを比較検討した.AHI平均値は単純X線7.1mm,トモシンセシス6.2mm,3D-CT6.3mmであり,トモシンセシスと3D-CTのAHIはほぼ同等で,単純X線はトモシンセシス,3D-CTと比べて有意にAHIが大きかった.したがってトモシンセシスでは単純X線よりも正確にAHIを計測できると考えられた.
  • 梶田 幸宏, 岩堀 裕介, 斉藤 豊, 佐藤 啓二, 花村 浩克, 筒井 求, 伊藤 岳史, 伊藤 隆安
    2015 年 39 巻 3 号 p. 608-611
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     今回,反復性肩関節前方脱臼患者の症例において全身麻酔下に前方動揺性を外転角度と回旋角度を変えて検討した.29例29肩,平均年齢24.1歳を対象とした.方法は,全身麻酔下に側臥位で助手が患者の患肢を0度,45度,90度の各外転角度で外旋0度,45度,最大外旋位の計9肢位を保持して検者が前方動揺性の評価を徒手でHawkinsの分類を用いて5段階で行った.従来考えられていた脱臼肢位である90度外転位,最大外旋位で動揺性を認める症例は6.9%のみであり,外転0度では外旋0度,外転45度と90度では外旋0度と45度で有意に動揺性を認める症例が多かった.肩関節前方脱臼例の前方動揺性は,各外転角度では最大外旋位よりも0度と45度外旋位において顕著となった.
  • 平原 康文, 尼子 雅敏, 有野 浩司, 大野 晋太郎, 根本 孝一, 津田 悦史, 山元 浩治
    2015 年 39 巻 3 号 p. 612-614
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     電流知覚閾値(CPT)検査は知覚神経の選択的かつ定量的な検査である.肩関節疾患患者の知覚の変化を明らかにするためにCPTを調査した.対象は26例26肩,平均年齢45.5歳である.CPTの健患比・健患差を算出し,夜間痛の有無,VAS,Shoulder36の疼痛ドメイン,JOAスコアの疼痛点数,疼痛の自覚から計測までの期間(疼痛期間)との関連を検討した.各刺激の健患比・健患差に有意差は見られなかった.5Hz刺激において,夜間痛あり群は有意に健患差,健患比が大きく(p<0.05),5Hz健患差と運動時のVASとの間に中等度(R=0.457,p<0.05),夜間のVAS及び疼痛期間との間に弱い正の相関(R=0.295, 0.357; p<0.05, 0.01)を認めた.C線維を介した中枢感作による影響が示唆された.
脱臼
  • 菅野 敦子, 相澤 利武
    2015 年 39 巻 3 号 p. 615-618
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     高齢者の肩関節脱臼骨折において,再脱臼をきたす頻度と,その要因となる骨折部位を検索することが本研究の目的である.
     2010年4月から2013年3月に,当院で肩関節前方脱臼骨折と診断された60歳以上の患者,男性14例,女性21例の計35例を対象とした.整復後,再脱臼を起こした患者の骨折部位と頻度を調べた.35例中6例(22.9%)で再脱臼し,2例は整復維持ができなかった.再脱臼した症例は男性1例,女性5例であり,男性の7.1%に比して女性では36.8%と女性で高率であった.骨折部からの分析では,大結節骨折3.7%に対して,関節窩骨折の症例で80%と高率に再脱臼を起こしていた.また,整復の保持が不能であった症例は,2例とも関節窩と大結節の骨折を起こしていた.
     高齢者の肩関節脱臼において関節窩骨折を念頭に置いた治療が不可欠と考えられた.
  • 宮島 玄陽, 見目 智紀, 中脇 充章, 佐々木 秀一, 大寺 亜由美, 落合 信靖
    2015 年 39 巻 3 号 p. 619-622
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     肩関節脱臼によって損傷した関節唇が外旋位によって整復されることは知られているが回旋による動態は未だ不明である.我々は手術を行った外傷性肩関節前方不安定症患者10名10肩について,損傷した関節唇の肩関節他動回旋時の動態をCine-MRIを用いて評価した.Cine-MRI上で関節唇が関節窩に圧着された肩関節下垂位での回旋角度(以下圧着角)と関節唇が関節窩から離開した回旋角度(以下離開角)を計測した.平均圧着角は15.7±24.6°,平均離解角は-1.1±20.9°であり,10肩中3肩は内旋域のみでも関節唇の関節窩への圧着がみられた.本研究より,関節唇は外旋により関節窩に圧着されても回旋角度が最大内旋に向かうに従い全例離開してしまうことが確認された.一方で内旋域のみでも角度により関節唇の関節窩への圧着が維持される例を30%認め,内旋位固定でも反復脱に移行しない症例が存在する一因と考えられた.
  • 柴山 一洋
    2015 年 39 巻 3 号 p. 623-627
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     今回関節鏡所見でHill-Sachs lesion(以下HSL)に形態的特徴があることに注目したので報告する.
     対象は2011年10月 ~ 2014年4月までに当科で肩関節前方不安定症で手術を行った56例.男性41例,女性15例.鏡視所見から形態的に4型に分類し,また総脱臼亜脱臼回数と各typeとの関連を統計学的に比較した.
     結果はcyst type 7例 gutter type 12例 island type 20例 wide type 17例.各typeと総脱臼回数との間には有意差があった.各typeと幅との間には有意差はなかったが,総脱臼回数が増えるにつれ,HSLの幅が広がる傾向があった.
     考察.HSLを形態的に分類した報告は渉猟しえる限りで現在までない.
     我々の結果では,各typeと総脱臼回数との間に有意差があった.また各typeと幅との関係性は有意差はなかったが,総脱臼回数が増すにつれ幅が広がる傾向があった.
     結論.HS lesionには形態的特徴がある.
  • 尼子 雅敏, 有野 浩司, 山元 浩治, 土原 豊一, 津田 悦史, 伊藤 雄也, 大野 晋太郎, 平原 康文, 川口 雅久, 根本 孝一
    2015 年 39 巻 3 号 p. 628-630
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     鏡視下Bankart法術後の肩関節内外旋筋力の増強は,肩関節の安定性を獲得する上で重要である.鏡視下Bankart法を行った47例を対象とし,術後外旋筋力回復に影響を及ぼす因子を検討した.術後6か月の外旋筋力の回復良好群(n=31)と,不良群(n=16)の2群間で利き手側,年齢,手術で用いたアンカーの本数,SLAP修復の有無の検討項目を比較するとともに,ロジスティック回帰分析による多変量解析をおこなった.年齢,アンカー数,SLAP修復の有無は2群間に有意差がなかったが,不良群は患側が非利き手側の場合が有意に多かった(p<0.05).多変量解析では患側が非利き手側の筋力回復が有意に不良であった(OR: 23.481, p<0.01).術後経過において患側が非利き手側である場合,外旋筋力の回復が遅延する.
  • 結城 一声, 村 成幸, 原田 幹生, 鶴田 大作, 鈴木 朱美, 高木 理彰
    2015 年 39 巻 3 号 p. 631-633
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     コンタクトスポーツ選手の外傷性肩関節前方不安定症に対する手術治療は,その再脱臼率の高さなどから一定の見解が得られておらず,スポーツ復帰についても明らかではない.本研究は,術後1年以上経過観察可能で,電話インタビュー可能であった26例26肩を対象とし,Bioknotless suture anchorを用いた修復術10例(B群)とDAFFもしくはTAFF法での修復術16例(D群)の術後成績を比較した.JSS不安定症スコアの平均は,B群では術前57点から91点へ,D群では53点から93点へ両群とも有意に改善した.術後平均外旋制限や等尺性筋力には,両群間で有意差は認めなかった.術後再脱臼はB群で1例,D群でTAFF法を行った2例に認めた.スポーツ復帰状況は,完全復帰がB群の2例に対しD群は8例でD群の方が良好であった.
  • 永井 英, 鈴木 一秀, 西中 直也, 上原 大志, 大澤 一誉, 筒井 廣明
    2015 年 39 巻 3 号 p. 634-637
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     コリジョンコンタクトアスリートの肩関節前方不安定症に対して施行した直視下Bankart-Bristow法(以下OBB法)と鏡視下Bankart-Bristow法(以下ASBB法)術後の可動域を調査し,術式間での改善の差を検討した.Bankart-Bristow法を行ったコリジョンコンタクトアスリートで,6ヵ月まで定期的に経過観察可能であった72例76肩を対象とし,これらをOBB法38肩,ASBB法38肩の2群に分け比較検討した.可動域の推移は1,2,3,4,6ヵ月時に屈曲,外転,下垂位外旋,外転90度位外旋,屈曲90度位外旋の可動域を計測した.可動域は4ヵ月時点で屈曲,外転,屈曲外旋の項目,6ヵ月時点で外転,屈曲外旋の項目でASBB法が有意な改善を認めた.ASBB法は競技復帰時期の可動域改善がより良好であり,アスリートに対して有利な術式と考えられた.
  • 日山 鐘浩, 大原 敏之, 望月 智之, 二村 昭元, 宮本 崇, 吉村 英哉
    2015 年 39 巻 3 号 p. 638-641
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     Latarjet法などの烏口突起移行術では,烏口突起骨片と関節窩前面の骨癒合を得るために関節窩前面に十分な母床が必要となる.本研究の目的は関節窩骨切除率に伴う母床範囲を測定し,Latarjet法に適した骨切除率を検討することである.2回以下の脱臼で,骨性Bankart病変を伴わない9例9肩(男性8例,女性1例,平均年齢18.6歳)を対象とした.CTデータを利用し,VirtualPlace Liberty Lite(Aze Japan)を用い関節窩の3D構築を行い,関節窩に5,10,15,20%の骨切除作製時の関節窩の前額面の長径,短径,面積を測定した.Latarjet法では烏口突起骨片の長軸は20mm程度必要とされており,本結果からは骨切除作製時の関節窩長径が20mmを超えるのは約15%からであった.烏口突起骨片に適合する母床を作製するには15%以上の骨切除が必要であると考えられた.
  • 岩堀 裕介, 梶田 幸宏, 齋藤 豊, 佐藤 啓二, 花村 浩克, 筒井 求, 伊藤 岳史, 伊藤 隆安
    2015 年 39 巻 3 号 p. 642-646
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     HAGL損傷(humeral avulsion of the glenohumeral ligament lesion;下関節上腕靭帯骨頭側剥離損傷)を伴う肩関節外傷性前方不安定症に対してスーチャーアンカーを用いた鏡視下手術を行った21例21肩(平均手術時年齢28.4歳)の後ろ向き調査を報告する.術前MRA(MRI arthrography)上, J signまたは骨頭側からの造影剤の漏出のいずれかを全例で認めた.術後観察期間は平均14.6ヵ月であった.合併症は腋窩神経近傍の関節包に糸がかかり縫合し直した1肩のほか,腋窩神経障害が2肩,筋皮神経障害が1肩あったが自然軽快した.最終観察時の平均肩関節外旋制限は下垂位で12度,90度外転位で14度,日本肩関節学会肩関節不安定症評価法は術前48点から術後91点へ有意に改善した.安定性の獲得ではほぼ満足できたが,腋窩神経損傷に対する注意が必要である.
  • 伊藤 雄也, 尼子 雅敏, 津田 悦史, 土原 豊一, 山元 浩治, 川口 雅久, 北田 明良
    2015 年 39 巻 3 号 p. 647-649
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     外傷性肩関節前方不安定症に合併する上方関節唇損傷の発生頻度及び発生に影響を与える因子について検討した.鏡視下Bankart法を行った101例を対象とし,鏡視にて上方関節唇損傷の有無,損傷形態を確認し,Snyder分類に準じて損傷なしまたはtypeI型をA群,typeII~IV型をB群とし,術前及び術後6か月のJOA score, JSSSIS, DASHおよび下垂位外旋角度について比較を行った.また上方関節唇損傷の発生に影響を及ぼす因子として,初回脱臼時年齢・脱臼回数・初回脱臼から手術までの期間・骨性Bankart損傷の有無を抽出し,統計学的検討を行った.上方関節唇損傷は全体の79.2%に認め,typeII~IV型損傷を50.5%に認めた.A/B群間でJOAscore, JSSSIS, DASHともに有意差を認めなかった.初回脱臼時年齢が上方関節唇損傷の発生に影響を与える有意な因子であった.
骨折
  • 浅野 研一, 平岩 秀樹, 岸本 烈純, 山下 暁士, 酒井 忠博
    2015 年 39 巻 3 号 p. 650-653
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     上腕骨2 part外科頚骨折に対する骨接合術における成績不良の原因について検討を行ったので報告する.対象は髄内釘を用いて手術を行った17例で,年齢は平均73歳,観察期間は平均22.8ヵ月であった.調査項目は骨癒合の有無,肩関節可動域,合併症,上腕骨頚体角,JOA scoreで,最終観察時の上腕骨頚体角と可動域の相関も調査した.骨癒合は全例に認めた.合併症は内反変形治癒を1例,上腕骨頭壊死を1例に認めた.上腕骨頚体角は平均133°,JOA scoreは平均82.3点であった.上腕骨頚体角と屈曲可動域に有意な相関を認めた(p=0.008).内反変形に伴う上腕骨頚体角の低下は大結節の上方化につながり,屈曲可動域が不良となったと考えた.また患者側の要因として術前に認知症や上肢麻痺がある症例の成績は不良であった.
  • 山崎 博範, 藤田 耕司
    2015 年 39 巻 3 号 p. 654-657
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     上腕骨大結節骨折に対し鏡視下手術を施行し1年以上経過した症例の成績を検討した.症例は鏡視下手術を施行した5例5肩(男1例,女4例)を対象に検討した.平均年齢は64.8歳(31 ~ 78歳),術後経過観察期間は平均17ヶ月(12 ~ 19ヶ月)であった.検討項目は,可動域,JOA score,UCLA scoreを調査した.手術は全例,縫合糸アンカーを用いてsuture bridge法で骨接合術を施行した.最終経過観察時の術後屈曲角度は平均147.0°,外旋44.0°,術後JOAは90.2点,UCLA scoreは32.0点であった.全例で骨癒合が得られた.上腕骨大結節骨折に対し,縫合糸アンカーを用いた鏡視下手術の治療成績は良好であった.
  • 藤原 祐輔, 柏木 健児, 原田 洋平, 根木 宏, 望月 由
    2015 年 39 巻 3 号 p. 658-660
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     我々は以前の学会で術後上腕骨頭の内反転位を来しやすい骨折型はAO/OTA分類11-A2.2,11-A3.2,11-A3.3であり,髄内釘固定にRope-over-bitt法(以下ROB法)を併用することで内反転位を抑制できることを報告した.今回上腕骨頭内へのリン酸四カルシウムセメント(以下CPC)の注入により術後内反転位を抑制できるかについて検討したので報告する.
     2007年4月以降,AO/OTA分類11-A2.2の上腕骨外科頚骨折に対して髄内釘固定を行った60歳以上の女性14例14肩を対象とした.全例ポララス髄内釘を使用し,髄内釘固定のみの症例は5例(N群),髄内釘固定にROB法を併用した症例は4例(R群),髄内釘固定にCPCを併用した症例は5例(P群)であった.術直後の頚体角と骨癒合後の頚体角の差(内反転位角度)を3群で比較した.内反転位角度の平均はN群13.9±3.9度,R群4.7±3.7度,P群1.2±0.6度であり,N群とR群,N群とP群に有意差を認めた.髄内釘固定に骨頭内へのCPCの注入を併用することで術後内反転位を抑制できる可能性がある.
  • 勝見 亮太, 塩崎 浩之, 鈴木 一瑛
    2015 年 39 巻 3 号 p. 661-664
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     3および4-part上腕骨近位端骨折26例26肩(男性5例 • 女性21例,平均年齢65.9歳)に対するロッキングプレートによる観血的整復内固定術(ORIF)17例(平均年齢62.0歳)および人工骨頭置換術(Hemi)9例(平均年齢73.0歳),平均経過観察期間4.5年の治療成績を調べ,成績不良因子について検討した.JOAスコアの平均値と標準偏差はORIF90.4±7.8点,Hemi80.1±8.0点であり,自動屈曲可動域(平均±標準偏差)はORIF135±25°,Hemi109±24°であった.年齢と骨折型の影響も考えられるが,ORIFの成績はHemiより良好であった.JOAスコア80点未満の成績不良と考えられた症例は,ORIF17例中2例,Hemi9例中5例であった.Hemiでは痛みは少ないが,可動域制限が残りやすく,機能成績向上のためにはさらなる工夫が必要である.
  • 竹内 康剛, 山本 英樹
    2015 年 39 巻 3 号 p. 665-669
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     AO分類type Cに分類される上腕骨近位端骨折患者20例20肩の手術成績についてmedial support(MS)と骨頭壊死に焦点を置き臨床成績と内反転位(humeral head height 〔HHH〕の差)を検討した.最終観察時,MSが獲得できた症例16例のJOAスコアとHHHの差はそれぞれ平均87.2点,平均1.8 mmであり,MSが獲得できなかった症例4例のJOAスコアとHHHの差はそれぞれ平均56.5点,9.3 mmであり,MSが獲得できた症例では有意にJOAスコアが高く内反転位が小さかった.骨頭壊死は20例中4例に認め,4例のJOAスコアの平均は63.3点で,他の16例のJOAスコアの平均85.5点と比べ,有意に低い値であった.MSが獲得できない症例や骨頭壊死の危険性が高い症例に対しては人工骨頭置換術も考慮すべきである.
  • 結城 一声, 村 成幸, 鶴田 大作, 鈴木 朱美, 高木 理彰
    2015 年 39 巻 3 号 p. 670-672
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     鎖骨遠位端骨折6例に対し,ロッキングスクリューとケーブルワイヤーを同時に併用できるプレートシステムを用いて手術治療を行ったので報告する.骨折部を整復してプレートを設置したのち,遠位骨片の大きさに合わせてスクリューやケーブルワイヤーの本数を調整した.術後は制限なく可動域訓練を行った.平均2.4か月で全例に骨癒合を認めた.平均経過観察期間5.6(2.5-18)か月で,肩関節自動平均可動域は屈曲154°,外転156°,外旋54°,内旋Th10となり,全例に疼痛やADL障害は認めなかった.術中,ケーブルワイヤーを締結するために張力負荷をかけたところ2例で骨片への食い込みを生じた.本システムの特徴は,粉砕した遠位骨片の場合もケーブルワイヤーによってまとめあげて整復固定できる点である.ただしその張力負荷をかけすぎると二次骨折を生じる可能性があり,特に骨粗鬆症合併例では負荷に注意する必要がある.
筋腱疾患
  • 堀田 知伸, 木村 重治
    2015 年 39 巻 3 号 p. 673-677
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
    目的:腱板をfootprint内側に縫着した場合の同部の変化(腱板の再生)を,MRIを用いて追跡すること.
    方法:腱板をfootprint内側に縫着した50例につき経時的にMRIを撮像し変化を観察した.手術はDAFF法を用い大結節部にはmarrow ventsを加えた.計測にはMRIのT2の斜位冠状断像を用いた.
    結果:術後6か月で腱板が大結節外側まで再生されていた症例は44例88%で,縫着部の状態が術中と同様だったのは3例6%,再断裂は3例6%に認めた.縫着した腱板断端外側部と大結節外側までの距離が約15mm以内であれば腱板が再生する可能性が高かった.
    考察:marrow ventsによる幹細胞やgrowth factorが腱板再生のために重要な働きをしている可能性がある.
    結論:腱板断端をfootprint内側に縫着した場合でもfootprint上に腱板の再生を高頻度に認めた.
  • 三宅 智, 伊崎 輝昌, 内藤 正俊, 柴田 陽三, 櫻井 真
    2015 年 39 巻 3 号 p. 678-681
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     肩峰外側突出の大きさと腱板断裂の関連性について骨頭中心を基準とした計測法と従来法で比較検討する.当院で腱板断裂手術をおこなった患者を後ろ向きに調査した.腱板断裂105肩をT群,そのうち完全断裂76肩をTf群,不全断裂29肩をTp群とした.MRIで腱板断裂のない肩関節拘縮患者41肩をコントロール群(C群)とし、単純X線前後像にて,acromion index(以下AI),acromion coverage index(以下ACI),関節窩下縁を通り関節窩面に垂直な線と関節窩下縁と肩峰外側端を結んだ線がなす角(S角),骨頭中心を通る関節窩面と平行な線と骨頭中心と肩峰外側端を結ぶ線がなす角(C角)を測定した.AIとS角はT群-C群間,Tf群-C群間で有意差はなかった.ACIとC角はT群-C群間,Tf群-C群間で有意差があった.骨頭中心を基準とした肩峰外側突出の大きさは腱板断裂と関連性があることが示唆された.
  • 森原 徹, 立入 久和, 藤原 浩芳, 久保 俊一, 三浦 雄一郎, 福島 秀晃, 甲斐 義浩, 瀬尾 和弥, 平本 真知子, 東 善一
    2015 年 39 巻 3 号 p. 682-686
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     肩関節において肩甲上腕関節の安定化に重要な腱板は,中高年になるとしばしば断裂を生じる.断裂部が小さい場合,残存腱板の機能改善によって関節窩への求心位を再獲得できれば症状は軽快することが多い.しかし小断裂であっても,滑液包面で断裂端が反転している場合,リハによる疼痛や肩峰下インピンジメントの改善は難しく,しばしば手術療法が必要となる.一方断裂部が大きくなると,残存腱板による肩関節機能の維持が困難となる.肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節による運動連鎖によって上腕骨頭の関節窩への求心性を獲得するため,リハでは,特に三角筋と肩甲骨周囲筋の機能改善が重要となる.機能改善が得られない場合,再建術などの手術療法が選択される.個々の症例によって断裂腱の病態が異なるため,医師と療法士はどのようにすれば肩甲上腕関節の求心性を改善できるか,適切な肩甲骨運動はなにかを科学的に考慮しながらリハを行うことが重要である.
  • 杉 憲, 廣瀬 聰明, 吉本 正太, 道家 孝幸, 芝山 雄二, 水島 衣美, 岡村 健司
    2015 年 39 巻 3 号 p. 687-689
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     本研究の目的は,腱板断裂患者における術前肩関節内ブロックの効果と鏡視下腱板修復術(ARCR)の術後成績との関連を断裂形態別に比較検討することである.腱板断裂患者50例50肩に対し術前肩関節内注射を施行し,造影剤が肩峰下滑液包側(SAB)に漏出しない場合はSAB注射を追加した.その後1週間以内にARCRを施行し,術前ブロック効果と術後JOAスコアについて検討した.腱内部分断裂ではSAB注射追加後もブロック効果がなかったものの,術後成績は良好であった.また術後1年時評価にて,術前ブロック効果と術後成績の相関は完全断裂で見られたものの,部分断裂では見られなかった.関節内注射は腱板完全断裂の術後予後を予測できる可能性があり,またSAB注射を併用することで部分断裂側を鑑別する一助となる.
  • 松葉 友幸, 畑 幸彦, 石垣 範雄, 中村 恒一, 加藤 博之
    2015 年 39 巻 3 号 p. 690-692
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     腱板不全断裂を伴う肩関節拘縮例の臨床上の特徴を明らかにする目的で,初診時の肩関節造影検査で関節面側に棘下筋腱不全断裂を認めた肩関節拘縮例30肩(以下T群)と肩関節拘縮のみの症例30肩(以下C群)とを比較検討した.病歴,臨床所見,関節造影画像上での関節包の大きさを2群間で比較検討し,関節包の大きさと関節可動域との間の相関を調べた.T群は男性,右肩に多かった.関節可動域,徒手筋力,関節包の大きさは2群間に有意差を認めなかった.T群では外転角度のみが関節包との間に相関を認めたが,C群では外転,外転位外旋角度,CTDが関節包の大きさとの間に相関を認めた.肩関節拘縮のみの症例と棘下筋腱不全断裂を伴う肩関節拘縮例は病態が異なるため,同じ治療方法では改善しない可能性が示唆された.
  • 石谷 栄一, 原田 伸哉
    2015 年 39 巻 3 号 p. 693-697
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     脊椎の矢状面アライメント並びにその可動性と腱板断裂の関連性を調査検討した.対象は下肢疾患での入院患者54例で胸椎後弯角はスパイナルマウスを用いて,第1-12(TK full)と第5-12(T5-12)を立位,坐位,坐位屈曲伸展で計測し,可動性も算出した.単純X線立位骨盤側面像にて仙椎傾斜角(SS),腰椎前弯角(LL)を計測した.腱板断裂の有無は超音波検査を用いた.断裂なし群26例,断裂あり群28例に分け各項目を2群間で比較検討した.結果は坐位TK full,坐位T5-12,立位TK full,立位T5-12はすべて断裂あり群にて有意に大きかった.可動性TK full,可動性T5-12は断裂あり群で有意に少なかった.SS,LLは両群に有意差はなかった.静的な胸椎後弯の増大と動的な胸椎可動性の低下が腱板断裂の要因であると示唆された.
  • 寺谷 威
    2015 年 39 巻 3 号 p. 698-702
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     肩関節鏡視下手術を施行し,術後1年を経過した外傷性腱板断裂(外傷群)33肩と非外傷性腱板断裂(非外傷群)46肩を対象とした.この2群間における患者背景,罹病期間,理学所見,画像所見,術中所見,術後成績を比較検討した.2群間における年齢,性別に有意差を認めなかった.罹病期間は外傷群で有意に短かった.自動挙上可動域は,術前において偽性麻痺症例が多く含まれる外傷群で有意に小さかったが,術後は有意差を認めなかった.術前の筋委縮は外傷群で軽度であったが,再断裂率は2群間で有意差を認めなかった.断裂サイズは2群間で有意差を認めなかったが,外傷群で上腕二頭筋長頭腱の不安定性を有意に多く認めた.術後成績は2群間において術後6か月のASES scoreが外傷群で有意に高く,外傷群で早期改善が得られる可能性が示唆された.その要因として,罹病期間が短く,術前の筋委縮が非外傷群と比し軽度であった事が考えられた.
  • 畑 幸彦, 石垣 範雄, 松葉 友幸, 中村 恒一, 加藤 博之
    2015 年 39 巻 3 号 p. 703-707
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     広範囲腱板断裂に対するpartial repair法とLHBアンカーリング法の有用性と特徴を明らかにする目的で,partial repair法施行群58肩とLHBアンカーリング法施行群72肩について臨床評価と画像評価を行った.両群間に有意差はなく,術後2年のUCLA scoreは前者が32.1 ± 2.9,後者が32.6 ± 2.1で,患者満足度(5points)はP群が4.4 ± 0.7,L群が4.3 ± 0.7であり,MRI評価で再断裂を疑わせる症例はP群が24.4%,L群が17.5%であった.したがって両術式ともに良好な肩関節機能,高い患者満足度および良好なcuff integrity が得られる有用な術式であることが分かった.また各術式の経時的変化から,経過観察期間はpartial repair法では術後2年以内で十分であるが,LHBアンカーリング法では術後2年以上必要であると思われた.
  • 杉森 一仁
    2015 年 39 巻 3 号 p. 708-712
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     腱板修復術前にDEXA法で骨密度検査を行った52肩を対象とし,上腕骨骨密度の部位における違い,特徴を検討した.上腕骨近位全ての領域において,男女とも患側の骨密度は健側に比べ低かった.大結節と骨頭中央を除き,骨密度は年齢と有意な負の相関を認めた.断裂サイズを小断裂群と大断裂群に分けて検討したところ,男性において,大断裂群の大結節の骨密度が小断裂群に比べ有意に低かった.さらに,術前のJOAスコアと骨密度の関連について検討したところ.Function, ROMと大結節の骨密度が有意な正の相関を認めた.腰椎や股関節において加齢により骨密度が低下することはよく知られているが,肩関節においては加齢以外の原因として,男性において腱板断裂のサイズが大結節の骨密度に影響を与えることが示唆される結果であった.断裂サイズが大きい患者においては,大結節の骨脆弱性が存在することを予測し手術に臨む必要があると考える.
  • 篠田 毅
    2015 年 39 巻 3 号 p. 713-715
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     本研究の目的は,一次修復が困難な腱板断裂に対する鏡視下腱板部分修復術の短期成績を調査することである.当院にて手術を行い,術後1年以上が経過した16例16肩を対象とした.男性13例,女性3例,手術時年齢は62.3歳(53-82歳),術後経過観察期間は平均17.2ヵ月(12-34.3ヵ月)であった.臨床成績は日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(JOA スコア)で評価し,術後のMRIで腱板の修復状態を評価した.統計学的検討にはt検定を用いp値0.05未満を有意差ありとした.JOAスコアは術前平均54.7点(42-67.5点)から術後平均83.6点(71-95点)へ有意に改善した(p<0.0001).術後のMRIで,16例中11例は術前のMRIと比し腱板断裂部の縮小を認めた.一次修復が困難な腱板断裂に対する鏡視下腱板部分修復術の短期成績は,諸家が報告した成績と概ね同等であった.
  • 田中 誠人, 林田 賢治
    2015 年 39 巻 3 号 p. 716-719
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     肩腱板断裂は腱板筋の筋萎縮を伴うことがあり,その筋萎縮が術後に回復するかどうかに関して定まった見解は得られていない.関節鏡下腱板修復術を施行し,術後再断裂を認めなかった131肩を対象とし,術前および術後1,3,6,12ヶ月のMRI斜位矢状断像Y-shaped viewにおいて,棘上筋の筋萎縮の指標となる占拠率の経時的変化を検討した.観察期間中変化を認めなかったものが,93例(71%)と大半であった.術直後の増加を認めたものが21例(16%),観察期間中を通して漸増したものが7例,観察期間中で減少したものが10例であった.術直後に増加を認めた21例のうち5例がその後も漸増,10例は増加後不変,6例は増加したのちに減少していった.棘上筋占拠率が経時的に増加していると考えられたものは,術直後に増加し,かつその後も増加した5例と,経過観察期間中に漸増した7例の計12例(9.2%)と少数であった.
  • 杉原 隆之
    2015 年 39 巻 3 号 p. 720-723
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     今回,PEEK製スーチャーアンカーを用いたsuture bridge法の成績を検討し,短期ながら良好な結果を得たので報告する.対象は2011~2014年の間に当院で腱板断裂に対してPEEK製スーチャーアンカーを用いて鏡視下にsuture bridge法を行った17例18肩(右側10肩,左側8肩)である.男性11例,女性6例で平均年齢63.5歳であった.断裂形態は完全断裂が15肩,不全断裂が3肩であった.治療成績は日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOAスコア)を用いて評価したが,術後のJOAスコアは術前と比較して統計学的に有意に改善していた.術後の再断裂率は12.5%であった.腱板断裂に対するPEEK製スーチャーアンカーを用いたsuture bridge法の治療成績は,短期成績ながら概ね良好であった.
  • 名越 充, 廣岡 孝彦, 檜谷 興, 石濱 琢央, 橋詰 博行
    2015 年 39 巻 3 号 p. 724-727
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     鏡視下腱板修復術(ARCR)後の再断裂に関連する臨床所見,手術手技,後療法の要因を調査するために,大断裂に対してARCRを施行した症例の評価を行った.症例はARCRを施行した大断裂47例(男23例,女24例,平均年齢64.7歳)47肩であった.術後6ヶ月のMRIを菅谷分類で評価し,type1,2を生着群,type3,4,5を再断裂群として分類した.術前Goutallier分類(棘上筋),肩甲下筋腱断裂の有無,ブリッジング法における内側縫合の有無,術後装具の腋窩枕の大きさを検討項目とした.ARCR後6ヶ月のMRI評価で再断裂24%を認めた.再断裂と関連していたのは,筋萎縮,肩甲下筋腱断裂,装具の腋窩枕の大きさであった.JOAは生着群(平均93.6点)と再断裂群(平均84.4点)間で有意差を認めた.特にtype 5は成績が劣っていた.
  • 松尾 洋昭, 梶山 史郎, 尾﨑 誠
    2015 年 39 巻 3 号 p. 728-731
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     鏡視下腱板修復術を行った症例の結節間溝内水腫(BG内水腫)と,結節間溝(BG)形態および術中上腕二頭筋長頭腱(LHB)病変との関連を検討した.2012年4月から2014年4月までに鏡視下腱板修復術を施行した72例72肩.男性51例,女性19例で手術時平均年齢は62.7歳であった.術前MRIにてBG内水腫の有無を評価し,術前に撮影した3D-CTでBG形態を野中らの方法に準じて5つに分類した.さらに外傷群と非外傷群に分け,それらの結果と鏡視でのLHB病変の有無を比較検討した.術前BG内水腫は72例中51例に認め,外傷群でBG内水腫はBG形態Type1で最も多かったが,LHB病変を認めない症例が多かった.非外傷群でBG内水腫はBG形態の変性変化進行に伴い症例数が増加し,LHB病変を認めた症例が多かった.BG内水腫を評価する際には,外傷歴やBG形態を考慮に入れてLHB病変を検討する必要がある.
  • 内山 善康, 橋本 紘行, 持田 讓治, 繁田 明義, 新福 栄治, 大見 博子, 笠間 啓樹
    2015 年 39 巻 3 号 p. 732-735
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     肩腱板広範囲断裂症例の一次修復が可能であった21例21肩(男性17例,女性4例)の術後成績を検討した.手術時平均年齢は63.6歳(46-81歳),平均経過観察期間は17.4ヵ月(12-24ヵ月)であった.手術は関節鏡を用いた直視下suture bridging法にて再建した.その結果,JOA score ,Constant scoreとも術前と比べ術後に有意に改善した(p<0.05).術後1年のMRIで棘上筋腱 5例24%,棘下筋腱 1例5%に再断裂がみられたが,肩甲下筋腱には再断裂は見られなかった.また非外傷例5例中4例80%に再断裂が多くみられた(p<0.05).変性断裂と考えられる非外傷例に再断裂が多いものの,臨床成績は非断裂例と比べて差は無かった.一次修復し得た腱板広範囲断裂において直視下suture bridging法は短期ではあるが概ね良好な術後成績であった.
  • 山田 光子, 山路 哲生
    2015 年 39 巻 3 号 p. 736-738
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     腱板断裂の手術で上腕骨大結節の骨質は手術手技に影響を与える.我々は骨密度(以下BMD)とCT値を測定し,上腕骨頭の領域別骨質の差を検討した.
     症例は20例,男性12例,女性8例,平均年齢 67.7歳.断裂サイズは小断裂9例,中断裂4例,大断裂7例であった.BMDは上腕骨頭に1cm2関心領域を作り骨頭内側,骨頭上方,中央,外科頚,大結節の測定を行った.CT値は冠状面で大結節が確認できる断面を対象とした.関心領域を50mm2として,BMD測定と同様の部位で平均CT値を測定し,骨頭前方と後方の比較をした.各領域のBMD値とCT値について検討した.
     その結果上腕骨頭内で領域別に骨質の差があり,後方の軟骨下骨の骨質が良好で,大結節では前方のCT値が高かった.また中断裂はCT値が低い傾向にあった.腱板断裂手術で大結節の前方はアンカー刺入に安全であることがわかった.
  • 篠崎 晋久, 安井 謙二, 加藤 義治, 成尾 宗浩, 神戸 克明
    2015 年 39 巻 3 号 p. 739-741
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     今回われわれは,高齢者に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の成績を比較検討したので報告する.2008年9月から2013年4月までに中断裂以下の腱板断裂に対しARCRを施行し術後1年以上経過観察が可能であった高齢者34例34肩を対象とした.うち前期高齢者(平均年齢69.2歳)が23肩,後期高齢者(平均年齢78.5歳)が11肩であった.検討項目は術前および術後1年でのJOAスコアと,術後1年でのMRIでの再断裂率とした.JOAスコアは前期高齢者が71.2点から95.1点へ,後期高齢者が64.7点から91.9点へそれぞれ有意に改善した.再断裂は前期高齢者で0/23肩,後期高齢者で3/11肩であった.再断裂症例は治癒症例と比較して術後JOAに有意差はなかった.高齢者の中断裂以下の腱板断裂に対するARCRは,妥当であると考えた.
  • 阿部 真行, 岡村 健司, 富原 匠, 野口 隆史
    2015 年 39 巻 3 号 p. 742-744
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     鏡視下腱板修復術を行い,一次修復可能で術後4ヶ月以上MRIで調査可能であった500例500肩(男210肩,女290肩,平均年齢66.8±9.9歳,フォロー期間平均5.5ヶ月)を対象とした.術直後,2ヶ月,4ヶ月以降にMRIを撮像し,再断裂例の特徴を調査した.再断裂は107肩(21.4%)に認めた.術中の断裂サイズにより2群に分類すると3cm未満では410肩中64肩(15.6%),3cm以上では90肩中43肩(47.8%)で断裂が大きいほど有意に再断裂率が高かった(P<0.05).再断裂を生じた時期は術後2ヶ月以内が65肩(60.7%)で比較的早期に生じていた.また再断裂パターンでは内側アンカー周囲での再断裂が75肩(70.1%)と多く,内側アンカーへの応力集中や血流障害などが関与していると考えられた.
  • 大野 晋太郎, 尼子 雅敏, 有野 浩司, 山元 浩治, 平原 康文, 根本 孝一, 津田 悦史, 伊藤 雄也
    2015 年 39 巻 3 号 p. 745-748
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     患者立脚肩関節評価法(Sh36)とDisability of the Arm, Shoulder and Hand日本手外科学会版(DASH)を用いて,腱板断裂術前・術後のQOL変化を評価し,Sh36の有用性を検討した.腱板断裂の診断で手術的加療を行った26例26肩を対象とした.男性23肩,女性3肩であり,平均年齢は53.3歳,鏡視下腱板修復術19肩,鏡視下肩峰下除圧術7肩であった.Sh36とDASHを用いて術前・術後3,6,9,12か月のQOL評価を行った.従来型の評価として日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(JOA)も同時に評価し,Sh36との関連を比較した.Sh36は互いのドメインが高い相関を示した.また,JOAとも高い相関を示した.Sh36は,各ドメインごとに術後改善する時期が異なった.DASHは各ドメイン間で中等度の相関を示すにとどまった.DASHの各ドメインも術後有意に改善したが,改善する時期に違いはなかった.腱板断裂術前・術後評価にSh36が有用であった.
  • 松田 淑伸, 伊藤 陽一, 間中 智哉, 市川 耕一, 平川 義弘, 清水 勇人, 松本 一伸, 中村 博亮
    2015 年 39 巻 3 号 p. 749-752
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     ArthroTunneler TM は鏡視下腱板修復術に用いられるデバイスで,上腕骨大結節に骨孔を作製しアンカー用いずに腱板縫合が可能であるが,縫合時に大結節外側の骨孔が糸でカットアウトしてしまう症例をしばしば経験することから,その骨孔亀裂に関しての検討を行った.対象は2012年5月から2013年4月までの間に当院及び関連病院にて同術式を施行した76例77肩で,女性31名,男性45名,平均年齢は67.2才(36-83才),腱板断裂サイズは小断裂5肩,中断裂14肩,大断裂26肩,広範囲断裂32肩であった.術中の関節鏡所見にて大結節外側に作成した骨孔に亀裂が生じた割合,骨孔亀裂と性別,年齢,腱板断裂サイズとの関連性を調査した.骨孔亀裂は35肩(45.5%)に生じた.65才以上の高齢者では有意に高頻度に骨孔亀裂を認めた.一方,骨孔亀裂と性別や腱板断裂サイズとの間には統計学的関連はみられなかった.
  • 守重 昌彦, 玉井 和哉
    2015 年 39 巻 3 号 p. 753-757
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     当科で経験した鏡視下腱板修復術々後再断裂に対する再手術について報告する.2009年1月より2012年12月まで鏡視下腱板修復術を行い,術後にMRI上再断裂が認められた20例のうち,再手術を行い1年以降経過観察できた9例について検討した.男性6名女性3名,初回手術時平均年齢56.2歳,初回術前JOAスコアは平均59点で,再手術々式は一次修復5例,miniopen大腿筋膜パッチ2例,鏡視下上方関節包再建2例であった.術後9例中6例がMRI上再々断裂を示し,再手術術後1年時JOAスコアは平均72点で,再手術々前と比較してJOAスコアは有意に改善した(p<0.05).しかし再断裂に対し再手術を行わなかった群の初回術後1年時JOAスコア平均85点には有意に劣っていた(p=0.04).
  • 芝山 雄二, 廣瀬 聰明, 道家 孝幸, 杉 憲, 水島 衣美, 岡村 健司
    2015 年 39 巻 3 号 p. 758-762
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     腱板断裂と肩甲上腕関節の軟骨病変の関係について研究した報告は少ない.今回,我々は腱板断裂サイズ別に軟骨病変の頻度,重症度,局在を調査した.対象は鏡視下腱板修復術を行った70肩(男25肩,女45肩),平均年齢65.4歳(50-75歳).部分断裂・小断裂25肩(S群),中断裂33肩(M群),大・広範囲断裂12肩(L群)とし,断裂サイズ別に軟骨病変の重症度をInternational Cartilage Repair Society(ICRS)分類で評価した.局在は上腕骨頭,関節窩とも9分割し,断裂サイズ別に検討した.軟骨病変の合併率は上腕骨頭側84%,関節窩側27%.断裂サイズと重症度には弱い相関を認めた.上腕骨頭側の病変の局在はS群の半数で前上方に存在し,M群では正中に病変が増加し,L群では正中・後下方を中心に全体に拡大しており,断裂サイズとともに前方から正中,後方に病変が広がると考えられた.
  • 大前 博路, 望月 由
    2015 年 39 巻 3 号 p. 763-765
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     中空構造を持つPEEK製スーチャーアンカー周囲の腱板修復術後画像評価を行うことを目的とした.鏡視下に腱板修復を行った36肩(手術時平均年齢62歳,男性20肩,女性16肩)を対象とした.手術手技はsingle-row法で行い,PEEK製の中空構造を持つスーチャーアンカーを用いた.評価は腱板修復術後6ヶ月でのMRI画像を用いた.アンカー周囲にアンカー径より大きな液体貯留とそれを取り巻く骨硬化像を5.2%(77アンカー中4アンカー)に認めた.アンカー内部の液体貯留は認めなかった.以前我々は非中空構造のPEEK製アンカー85個中17個(20%)の周囲に液体貯留とそれを取り巻く骨硬化像を認めたと報告した.中空構造のアンカーは液体貯留の頻度を低くする可能性があると思われた.
  • 水島 衣美, 廣瀬 聰明, 吉本 正太, 道家 孝幸, 芝山 雄二, 杉 憲, 今村 塁, 岡村 健司
    2015 年 39 巻 3 号 p. 766-768
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     棘上筋は筋線維の多くが筋内腱に収束し,筋外腱となって大結節に付着するという羽状筋の形態を示しており,筋収縮によって生じた力を集中させる働きがあると考えられている5).本研究の目的は腱板断裂患者と健常者で筋内腱の形態をMRI評価し,その特徴を調査することである.対象は腱板断裂患者16名,健常ボランティア10名.MRIはGE社製Signa HDx 3.0Tを使用し,oblique coronal像,oblique sagittal像,axial像を撮像した.Oblique sagittal像で肩甲骨関節窩,棘上筋および筋内腱の断面積を計測し,axial像で肩甲骨関節窩と筋内腱のなす角を計測した.断裂群で棘上筋の面積比は有意に小さかったが,筋内腱の面積比は両群で差を認めなかった.また筋内腱の走行は断裂群で健常群と比べ5度後方に向かっていた.厚い線維組織を有する筋内腱を腱板修復に用いるため,術前にその走行を確認することは手術計画を立てる上で有用であると考えられた.
  • 見目 智紀, 宮島 玄陽, 中脇 充章, 落合 信靖, 佐々木 裕, 山口 毅, 木島 丈博, 橋本 瑛子, 佐々木 秀一, 大寺 亜由美, ...
    2015 年 39 巻 3 号 p. 769-772
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     肩峰下インピンジメント症候群患者の肩関節内外旋動作をCine-MRIで撮像し,健常者と比較検討.対象は患者群83名93肩,健常群は22名44肩.MRIはSigna 1.5T,撮像はTrue FISP法で実施.上腕骨頭中心を通る軸位画像で肩関節外転0度での内外旋自動運動20秒間一往復の動作を評価.評価項目はCine-MRI上の回旋可動域,関節適合性,回旋制限の有無を健常群と患者群で比較,患者群では回旋制限パターン別にUCLAスコアを比較.関節適合性不良は患者群にのみ7肩が認められた.回旋可動域は患者群が有意に小さかった.回旋制限パターン別では制限無し群43肩,内旋制限群5肩,外旋制限群30肩,回旋可動域制限群15肩であり,UCLAスコアは制限なし群で最も高く,外旋制限群が最も低かった.肩峰下インピンジメント症候群患者では肩関節回旋機能低下が認められ,特に外旋機能低下は肩関節障害が強かった.
  • 大久保 敦, 岩下 哲, 橋口 宏, 高井 信朗
    2015 年 39 巻 3 号 p. 773-776
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     上腕二頭筋長頭腱(LHB)損傷が腱板断裂修復術後の治療成績に及ぼす影響について検討を行った.対象は鏡視下腱板一次修復術を行った腱板完全断裂102例である.LHBにfrayingまたは1/3以下の部分断裂を認めデブリドマンのみを行った損傷群38例と損傷を認めなかった対照群64例の治療成績について評価を行った.術後平均JOA scoreは両群間で有意差を認めなかった.術後可動域に関しては,平均外旋角度が損傷群42.9度,対照群56.7度と損傷群で有意に小さかった.術後MRIにて再断裂を認めた症例は損傷群2例,対照群3例で,術後経過観察中にLHB完全断裂を損傷群で2例認めた.LHB損傷のうち滑動性が良好な1/3以下の部分断裂では,処置がデブリドマンのみでも術後成績に影響を及ぼさないことが示唆された.しかし,LHBの滑動性低下による外旋制限や完全断裂を生じる可能性があり注意が必要である.
神経疾患
  • 古島 弘三, 古賀 龍二, 岩部 昌平, 山本 譲, 伊藤 恵康, 光井 康博, 後藤 昌史, 大歳 憲一
    2015 年 39 巻 3 号 p. 777-782
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     スポーツ選手における胸郭出口症候群(TOS)の治療においてまだコンセンサスは得られていない.保存治療に抵抗する場合には手術が必要であるが,TOSの手術は一般的に難度が高く敬遠される傾向にある.我々は手術において関節鏡を併用して行っているが,本研究ではその方法と成績を報告する.対象はTOSの診断で手術施行された野球選手124例(平均年齢:17.4歳,平均経過観察期間:12.1か月)であった.手術は腋窩進入で,前 • 中斜角筋を切離し第一肋骨切除した.後療法は1か月投球中止し3か月で復帰を許可した.症状の著明な改善が得られ野球に復帰したのは88.7%であった.関節鏡併用によるメリットは,神経血管束を細かく観察でき安全で正確な細かい操作が可能となり,術者 • 助手のストレスが軽減されたこと.また,解剖学的な破格と思われる病態が確認されたことなどであった. 関節鏡を併用した第一肋骨切除術は安全性が高く詳細な操作が可能になり有用であった.
  • 石田 康行, 帖佐 悦男, 矢野 浩明, 谷口 昇, 大田 智美, 中村 志保子
    2015 年 39 巻 3 号 p. 783-786
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     腱板断裂に伴った腋窩神経麻痺の多くが自然回復することから,早期の腱板修復術を推奨する報告がある.しかし,一次修復不能な断裂では治療方針に苦慮する.手術を行わなかった腋窩神経麻痺を伴った腱板広範囲断裂の経過を調査した.症例は5肩.年齢は69~79歳,経過観察期間12~44ヵ月であった.全例肩関節前方脱臼に伴った腱板広範囲断裂と腋窩神経麻痺であった.麻痺回復徴候を認めた時期,受傷前の自動挙上角度に回復した時期と,初診時と最終観察時のJOA scoreの疼痛,機能,可動域で調査した.全例,受傷前の挙上角度に回復し,麻痺回復徴候を認めた時期は2~6ヵ月,受傷前の挙上に回復した時期は5~12ヵ月であった.JOA scoreは初診時平均32.5点が最終観察時平均60.5点へ有意に改善していた.腋窩神経麻痺を伴った腱板断裂に対する手術は絶対適応ではなく,断裂腱板の状態で検討すべきと考える.
変性疾患
  • 山口 毅, 落合 信靖, 佐々木 裕, 木島 丈博, 橋本 瑛子, 佐々木 康人, 山崎 博範, 見目 智紀
    2015 年 39 巻 3 号 p. 787-790
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
    ジャーナル 認証あり
     慢性肩石灰性腱炎に対し体外衝撃波療法を行ったので,その臨床成績について報告する.対象は発症後6ヶ月以上経過した慢性肩石灰性腱炎152例162肩(男性44名,女性108名),平均年齢54.5才.衝撃波装置はDornier社製 Epos TMを用いた.治療成績評価には,単純X線所見,VAS,JOA スコア,UCLA スコア,Constant スコアを用いた.経過観察期間は平均13.8ヶ月であった.単純X線上,石灰の消失及び縮小は71.6%に認められ,治療前後のJOA スコアは73.8点から91.4点,UCLA スコアは18.2点から29.3点,Constant スコアは66.7点から89.5点と有意な改善を認めた.またVASはいずれも有意な改善を認めた.X線変化,各種臨床スコア,VASで有意な改善効果が示され,慢性肩石灰性腱炎に対する体外衝撃波療法は有用と考えられた.
炎症疾患
その他
  • 大井 雄紀, 高木 陽平, 乾 浩明, 信原 克哉, 藤岡 宏幸, 吉矢 晋一
    2015 年 39 巻 3 号 p. 794-796
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/25
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     Late cocking相からacceleration相における骨盤,体幹と肩関節姿勢に注目し,それぞれの関係を運動学的に検討することを目的とした.対象は様々な競技レベルの野球投手335名とし,投球動作解析を行った.検討項目はフットプラント(FP),肩関節最大外旋(MER),ボール・リリース(BR)における骨盤,体幹と肩関節姿勢との相関関係とした.MER,BRの骨盤左回旋角度と肩関節水平外転角度に相関があった(MER:r = -0.48,BR:r = -0.53).FP,MER,BRの体幹の非投球側への側屈角度とMER,BRの肩関節水平外転角度に相関があった(MER:r = 0.50,BR:r = 0.43).FP,MER,BRの体幹の非投球側への側屈が大きい,またはMER,BRの骨盤回旋が大きいと投球障害肩を引き起こす可能性のある肩関節水平外転角度が大きくなる可能性がある.
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