抄録
近年,肩関節拘縮を合併した腱板断裂の鏡視下腱板修復術において,徒手受動術や鏡視下関節包解離を併用し良好な成績が報告されている.今回,当院で腱板一次修復を行った症例のうち,術前に肩関節拘縮を合併していた35例を対象としその成績を検討した.手術では,拘縮が比較的軽度な25例に徒手受動を行い,拘縮が高度な10例に対して関節包解離を行った.術後1年の時点で挙上120°以下かつJOAスコア80点未満の成績不良例が5例認められた.成績良好群と比較したところ,罹病期間,外傷歴の有無,糖尿病の有無に有意差は認められなかった.成績不良群では,術前の可動域が有意に低く,全例で安静時痛がみられた.鏡視所見では,腱板周囲の発赤や癒着が強く,断端が脆弱であるという点が成績不良群で共通していた.検討の結果,高度の拘縮や安静時痛は腱板断端周囲の炎症の強さを反映しており,このような症例で成績不良となる傾向があると考えられる.