抄録
棘上筋筋内腱の走行と機能的予後の関係を調査した.MRI撮影した腱板断裂症例230肩で年齢,性別,左右,断裂サイズ,立位単純X線で肩峰骨頭間距離の短縮があるか,MRI斜位冠状断で腱板断端が骨頭頂部を越えて退縮しているか,水平断と斜位矢状断で上腕二頭筋長頭腱の走行異常がないか,斜位矢状断で棘上筋筋内腱の走行が前後どちらに向かうかを調査した.3カ月以内に肩関節90度以上挙上可能かどうかを目的変数として多変量解析を行った.その結果,肩峰骨頭間距離の短縮と断端の退縮と棘上筋筋内腱の走行で予後予測が可能で,自動挙上可能であることを陽性所見とした場合の陽性的中率58.9%,陰性的中率78.8%であった.それぞれの項目の組み合わせにより自動挙上の可否には差があり,適切に組み合わせることによって予測率を上げることができると考えられた.本研究は早期腱板断裂症例の短期予後予測として有用であるといえた.