抄録
無症状の中学野球選手を対象に,投球動作に特異的な肢位を含む様々な肢位で,肩関節の等尺性筋力を測定した.投球側-非投球側間の筋力比較と,同側での肢位ごとの筋力比較を行い,その結果を検討した.下垂位の内旋筋力,90°外転外旋位の内旋・外旋筋力が投球側で有意に大きかった.ゼロポジションでの外旋筋力は投球側-非投球側間で有意差を認めなかった.投球側の内旋筋力は下垂位と比し90°外転外旋位で有意に大きかった.外旋筋力は,両側とも下垂位と比し90°外転外旋位とゼロポジションが有意に小さかったが,90°外転外旋位-ゼロポジション間は有意差を認めなかった.90°外転外旋位やゼロポジションで外旋筋力が発揮されにくいことから,この年代では肩甲胸郭関節筋群由来の外旋筋力低下が考えられ,投球障害発生との関連性が示唆された.