肩関節
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治療法
本邦におけるリバース型人工肩関節全置換術の上腕骨コンポーネントと
上腕骨サイズの不適合性
南 義人伊藤 陽一市川 耕一間中 智哉平川 義弘松田 淑伸清水 勇人中村 博亮
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ジャーナル 認証あり

2016 年 40 巻 2 号 p. 694-696

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抄録

 2014年よりリバース型人工肩関節全置換術(以下RSA)が導入されたが,インプラントの設計は欧米人を対象とされており,体格の異なる日本人ではサイズに不一致が生じ得る.Tornier社のメタフィシスコンポーネントは36mm径であり,自験例においても上腕骨コンポーネント挿入時に上腕骨近位部に亀裂骨折を生じた経験がある.そこで本研究の目的はRSA症例の上腕骨サイズと体格を検討することである.対象はTornier社のRSAを施行した42例43肩であり,手術時年齢は平均76.3歳(53歳-89歳)である.術前CT画像より上腕骨頭解剖頚の内外側径と前後径を測定し,身長との相関を検討した.平均内外側径は41.6mm,平均前後径は38.8mmであり,両径ともに男性のほうが女性より有意に大きかった.また身長と内外側径,前後径はそれぞれ相関を認めた.近似直線より求められる解剖頚での径が36mm以下となる身長は約140cmであった.本研究より身長140cm以下の症例では解剖頚での径が36mm以下になる可能性があることが示唆された.

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© 2016 日本肩関節学会
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