肩関節
Online ISSN : 1881-6363
Print ISSN : 0910-4461
ISSN-L : 0910-4461
骨折
スーチャーアンカーを用いた上腕骨大結節骨折の骨接合術の治療経験
鷹羽 慶之武長 徹也多和田 兼章後藤 英之土屋 篤志竹内 聡志杉本 勝正大塚 隆信
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 40 巻 3 号 p. 882-885

詳細
抄録

 上腕骨大結節骨折に対する骨接合術において骨片が脆弱で小さい症例では固定方法に苦慮することがある.近年,このよう上腕骨大結節骨折に対する骨接合術において骨片が脆弱で小さい症例では固定方法に苦慮することがある.近年,このような症例に対してスーチャーアンカーを用いた骨接合術が報告されており,本研究の目的は自験例における同方法の有用性について検討することである.上腕骨大結節骨折に対して直視下にスーチャーアンカーを用いて骨接合術を施行した6例(全例女性,手術時平均年齢68.0歳)を対象とした.治療成績をJOAスコア,X線学的評価,合併症にて調査した.術後平均観察期間は14ヵ月で,術後平均JOAスコアは85点であった.6例中5例で骨癒合が得られ,術中合併症としてアンカーの脱転を1例,アンカー挿入部の骨折を2例認めた.上腕骨大結節骨折に対するスーチャーアンカーを用いた骨接合術の術後成績は概ね良好であった.しかし,骨質が不良な症例に対しては術中のアンカー挿入において十分な注意が必要であると思われた.

著者関連情報
© 2016 日本肩関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top