2017 年 41 巻 2 号 p. 487-490
本研究の目的は夜間痛による睡眠障害の腱板修復術後の経過を明らかにすることである.
対象は夜間痛を伴う腱板断裂に対し鏡視下腱板修復術を施行した患者43例43肩である.
検討項目はアテネ睡眠尺度(以下AIS)の各項目(寝つき,中途覚醒,早期起床,総睡眠時間, 睡眠の質,日中の気分,日中の活動性,日中の眠気),及び合計点,総睡眠時間,中途覚醒回数,及び疼痛(VASで評価)である.各項目を術前,術後2週,1,2,3,6,12カ月の時点で評価した.
術前と比べ術後12カ月の時点でAISの合計点が5.7/3.0点(術前/術後),VASが50/12mm,中途覚醒の回数が1.6/0.6回と有意に改善していた.AISの各項目では中途覚醒,総睡眠時間,睡眠の質,日中の眠気で有意に改善していた.睡眠障害の遷延患者では再断裂の割合が有意に高かった.