肩関節
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筋腱疾患
鏡視下骨孔腱板修復術の治療成績
村田 亮黒田 重史荻野 修平石井 壮郎三笠 元彦石毛 徳之
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2017 年 41 巻 2 号 p. 484-486

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抄録

 腱板断裂に対する鏡視下骨孔腱板修復術(Arthroscopic Transosseous Suture:ATOS)について,平均1年以上経過観察が可能であった575症例の臨床成績を調査,検討した.JOAスコア(X線/安定性を除いた80点満点)は術前平均49.9点から術後平均73.0点に有意に改善した.菅谷分類によるType4,5を再断裂とすると全体の再断裂率は5.7%(33/575例)であった.小断裂では再断裂を認めず(0/61例),中断裂の再断裂率は2.7%(10/374例),大断裂および広範囲断裂では16.4%(23/140例)であった.再断裂例の術後平均JOAスコアは61.7点であり他と比較して有意に低かった.ATOSの術後臨床成績は再断裂率を含めて良好と考えられ,臨床症状を有する腱板断裂に対しては断裂径を問わず選択できる術式と考えられた.

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© 2017 日本肩関節学会
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