抄録
腱板断裂性関節症に対してリバース型人工肩関節(RSA)を施行した患者の肩甲下筋腱の修復状態について超音波を用いて評価した.症例は10例10肩,男性は5肩,女性は5肩,手術時年齢は平均77.3歳であった.術前に肩甲下筋腱断裂を認めなかった6例は肩甲下筋腱を小結節付着部より切離し,置換した後に小結節を越えて大結節前上方または結節間溝部まで引き出し縫着した.肩甲下筋腱が断裂していた4例は小結節付着部に縫着した.術後経過観察期間は平均18.1ヵ月である.平均JOAscoreは術前51.8点が術後81.4点と全例で良好な改善が得られ,術後平均内旋は第2.5腰椎レベルであった.超音波による肩甲下筋腱の評価は,9例で良好な修復と滑動性が認められ,術前に肩甲下筋腱が断裂していた1例で菲薄化が認められた.RSAにおいて,肩甲下筋腱の修復を行うことが脱臼予防の一因となったと考えられた.