抄録
症例は24歳女性,2010年からのステロイド投与歴がある.2013年に左肩関節部痛を自覚した.2015年9月当科初診時に肩関節可動域は屈曲90°,外転90°,外旋60°,内旋L1と制限を認めた.単純X線像とCT像で上腕骨頭の圧壊を認め,上腕骨頭壊死症Cruess分類 stage IVと診断した.X線透視画像検査で上肢挙上時に骨頭圧壊部位上縁のstep-offと関節窩縁のインピンジメントを認めた.肩関節鏡視下にstep-offの切除を行い,インピンジメントの解消を確認した.術後,疼痛と可動域制限は改善し,術後1年で疼痛の再燃はなく,可動域は屈曲170°,外転170°,外旋60°,内旋T8である.進行期の上腕骨頭壊死症患者には,一般的にインプラント手術が選択される.しかし若年例では関節温存可能な術式が望ましい.鏡視下でのstep-offの切除は上腕骨頭壊死症に対する治療の選択肢となり得る.