肩関節
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検査
腱板断裂症例での最大筋力と筋断面積の断裂程度による比較
畠山 雄二
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2017 年 41 巻 3 号 p. 653-658

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抄録

 腱板断裂症例での筋断面積と最大筋力を断裂程度により比較検討した.対象は2013年5月から2016年4月までに手術した48例で,平均年齢は62歳,罹病期間は5.6か月である.筋断面積はMRI T1強調斜位矢状断像で棘上筋(SSP),棘下筋(ISP)+小円筋(TM),肩甲下筋(SSC)の筋断面積を計測し,携帯型筋力計を用い90度前方挙上位での最大屈曲筋力,下垂中間位での最大外旋/内旋筋力を計測した.断裂程度により4群(A群:SSP単独,B群:SSP+ISP,C群:SSP+ISP+TM,D群:SSP+SSCまたはSSP+SSC+ISP)に分けた.断面積はSSCのみD群で有意に小さく,SSC断裂に伴う変性による筋萎縮を反映していた.筋力は外旋のみC群で有意に小さく,棘上,棘下筋および小円筋腱断裂による著明な筋力低下を示していた.A,B群では変性による筋萎縮が少なく断面積や筋力に有意差を認めなかった.

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© 2017 日本肩関節学会
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