抄録
腱板断裂肩では上腕骨頭の求心性が破綻し,大・広範囲断裂では臥位で骨頭が上方化することが報告されているが,断裂の形態と上方化の一定の見解はない.本研究の目的はトモシンセシスを用いて腱板断裂肩のAHIを,断裂形態別に評価し,腱板断裂と骨頭上方化の関連を検討することである.対象は鏡視下腱板修復術を施行した腱板完全断裂54例56肩.AHIと断裂サイズ,AHIと断裂腱の関連を,立位と臥位のAHIを用いて比較検討した.断裂サイズが大きくなるほどAHIが狭小化しており,立位では小・中断裂と広範囲断裂の間に,臥位では小・中断裂と大・広範囲断裂の間に有意差を認めた.また肩甲下筋腱断裂を含む3腱断裂となると立位と比べて臥位で有意にAHIが狭小化することが示された.