肩関節
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骨折
鎖骨遠位端骨折に対する鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術の治療経験
野島 大輔落合 信靖秋本 浩二
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2018 年 42 巻 2 号 p. 458-461

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抄録

 烏口鎖骨靭帯が断裂している肩鎖関節脱臼に対する鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術は広く行われており,良好な成績が報告されている.今回,烏口鎖骨靭帯が断裂しているNeer typeII鎖骨遠位端骨折に対して鏡視下烏口鎖骨靭帯再建術を行い,術後成績を評価した.対象はNeer分類 typeII新鮮例の鎖骨遠位端骨折で,鏡視下でDog Bone Button,Fiber wire tape,Tight Rope systemを用いた烏口鎖骨靭帯再建術を施行し,術後12か月以上経過観察できた7例 男性6例 女性1例:平均年齢38.6歳,平均経過観察期間23.6カ月(13~49カ月)である.術後12カ月の時点で全例に骨癒合を認め,全例でJOA core 100点であった.症例数が少ないが,低侵襲手術であり,抜去手術や術後の可動域制限が必要ない為,本法は鎖骨遠位端骨折に対する手術方法の一つとして有用と考えられた.

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© 2018 日本肩関節学会
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