2019 年 43 巻 2 号 p. 463-466
今回転位の大きな肩甲骨骨折10例に対し観血的整復固定術(ORIF)を施行したので短期成績を報告する.手術時平均年齢42.1歳,術前待機期間は平均13.2日であり,骨折の分類,最終観察時の肩関節可動域,JOA・UCLA score,癒合率を検討した.骨折型はfloating shoulderの拡大外科頚骨折A型+鎖骨骨幹部骨折が3例,Ideberg-Goss分類のtype IIIが2例,type Vaが5例だった.最終経過観察時の平均可動域は前方挙上161.5°,外旋52.5°,結帯T11レベルであり,JOA・UCLA scoreはそれぞれ92.6点・32.1点で,骨癒合率は100%であった.本検討の結果,転位のある肩甲骨骨折に対するORIFは有用な治療法と考えられた.