肩関節
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筋腱疾患
一次修復困難な腱板広範囲断裂に対する上方関節包再建術とリバース型人工肩関節置換術の術後成績の比較検討
太田 悟駒井 理
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2019 年 43 巻 2 号 p. 542-547

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抄録

 一次修復困難な腱板広範囲断裂に対する,上方関節包再建術(SCR)とリバース型人工肩関節置換術(RSA)の術後成績の比較および手術適応についての検討を行った.1年以上経過観察可能であったSCR(S群)とRSA(R群)を対象とした.S群は37例(男性22例女性15例),R群は32例(男性11例女性21例)であった.検討項目として術前後のJOAスコア,UCLAスコア,術前後の自動挙上角度,下垂外旋内旋角度について検討を行った.術後最終観察時のJOAスコア,UCLAスコア,自動挙上角度は両群で有意差はなかった.自動下垂外旋,内旋角度はSCR群では術後有意差をもって改善したが,R群は改善を認めなかった.今回,患者背景において年齢,性別,経過観察期間,術前の挙上角度と下垂外旋角度,偽性麻痺症例数,濱田分類,脂肪変性に差が見られ,異なる2つの術式の比較は困難であったが,一次修復困難な腱板広範囲断裂に対する術式選択の指標の一つになると思われた.

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© 2019 日本肩関節学会
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