肩関節
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筋腱疾患
鏡視下腱板修復術後におけるカクテル療法の有効性についての検討
寺谷 威
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2019 年 43 巻 2 号 p. 580-583

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抄録

 鏡視下腱板修復術(ARCR)後におけるカクテル療法の有効性について調査した.ARCRを施行した68肩を対象とした.方法はカクテル群(0.75%ロピバカイン20ml,モルヒネ5mg,アドレナリン0.3mg,ベタメタゾン2mg,生理食塩水= 42ml)とコントロール群(0.75%ロピバカイン20ml,生理食塩水=42ml)に分け二重盲検法にて行った.手術終了後にいずれかの薬液を肩甲上腕関節内,肩峰下滑液包内,肩甲上神経,三角筋前方,中部,後方線維にそれぞれ注入した.この2群間での術前,術後4,8,16,24,48時間のVAS,術後ジクロフェナク坐薬,ブプレノルフィン注射使用患者数,副作用を調査した.カクテル群は34肩,平均年齢62.6歳,コントロール群は34肩,平均年齢65.5歳であり2群間で有意差を認めなかった.VASは術後24時間ではカクテル群で有意に低かった.ジクロフェナク坐薬使用患者数はカクテル群で有意に少なかった.カクテル療法はARCR術後疼痛管理に有用であると思われた.

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© 2019 日本肩関節学会
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