抄録
投球動作の継続によりposterosuperior impingement(PSI)や後方関節窩側の形態変化が生じると指摘されているが,健常者での調査は少なく,生理的なPSIの定義は不明である.今回健常者を調査し,生理的なPSIの定義を試みた.健常成人15人30肩に両肩の超音波検査を行い,後方関節窩側の形態変化の評価と,外転最大外旋位で後方関節唇と腱板の接触形態の分類を行い,それぞれ左右差を比較した.後方関節窩側の形態変化は2肩に認め,左右差はなかった.外転最大外旋位での接触形態は,後方関節唇と腱板が変形しないものを23肩,変形するものを7肩に認め,左右差はなかった.健常者では後方関節窩側の形態変化や変形を伴う後方関節唇と腱板の接触形態にいずれも左右差は認めないことが確認された.生理的なPSIの定義は,外転最大外旋位で後方関節唇と腱板は接触するのみで変形しないことが基準となりうる.