【はじめに】鏡視下腱板修復術(ARCR)は良好な治療成績が報告されているが術後に肩鎖関節に痛みが出現する症例がある.
【目的】ARCR後に発生した肩鎖関節(ACj)周囲の骨髄浮腫(BME)の頻度と臨床的特徴を検討した.
【対象と方法】対象は術前にACjの症状がなくBMEを認めなかった患者111肩,男性60肩・女性51肩,平均年齢は63.3±8.9歳とした.術後1年経過時のMRIでACj周囲にBMEを認めたBME+群と,BMEを認めなかったBME-群に分け,患者背景(性別・年齢・利き手・断裂サイズ),手術時間,JOAスコア,再断裂率,ACj圧痛,Cross body adduction test(CBAT)を比較検討した.
【結果】BME-群は99肩,BME+群は12肩であった.患者背景,手術時間,JOAスコア,再断裂率で有意な差は認めなかった.BME-群/BME+群のACj圧痛は22.2%/53.3%,CBATは12.1%/58.3%でBME+群において有意に多かった.
【結語】ACj周囲のBMEは10.8%で発生しACjに関連した陽性所見は有意に多かった.ARCR後の遷延する肩の疼痛原因として留意する必要がある.
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