抄録
鏡視下Bankart&Bristow変法(以下ASBB法)の術後筋力を経時的に測定し,術側が利き手か非利き手で術後の筋力に影響が生じるか調査することを目的とした.対象は術前とASBB法術後3-5ヵ月まで経時的に肩関節周囲筋力と肘関節屈曲筋力を計測できた男性ラグビー選手33例である.徒手筋力計にて等尺性筋力を計測し,術側が利き手と非利き手の2群に分けそれぞれの健患比を算出し比較検討を行った.肩関節周囲筋力は利き手と非利き手の2群間で有意差を認めなかったが,肘関節屈曲筋力は術後3-5ヵ月の期間において非利き手は利き手と比較し有意に低かった.肩関節周囲の筋力訓練は術後1週から開始となるが,肘関節屈曲筋力訓練は移行した烏口突起の脱転・骨癒合不全を回避するために術後8週以降となり,術後8週未満は肘関節屈曲筋力訓練が行えずADL上のみの使用となることから,利き手・非利き手間の使用頻度の差が術後肘関節屈曲筋力に影響を与えたと考えられた.