抄録
今回,腱板断裂の術前患者に対して生体電気インピーダンス分析法を用いた体組成測定を行い,健患側と罹患期間に着目して調査を行ったので報告する.対象は,腱板断裂患者の内,術前に体組成測定が可能であった44名44肩とした.上肢患側平均除脂肪軟部組織骨格筋指数(Appendicular Skeletal Muscle Mass Index;以下ASMI)は健側と比較して有意に低値であった.また罹患期間が短い群は長い群と比較して,全身および上肢患側ASMI,Phase angle(以下PhA)が高値であった.これまで,腱板断裂の発症要因には様々な報告があるが,体組成について報告はない.腱板断裂患者では,術前骨格筋量は患側で有意に減少していた.また,栄養状態やサルコペニア,フレイルなどの全身状態と相関するといわれているPhAは,罹患期間が長い場合で有意に低値であった.今回の結果より,腱板断裂は全身疾患として捉えることができ,中でも体組成測定は新たな術前情報が得られる可能性が示唆された.