抄録
当院で行った関節リウマチ(RA)に対する解剖学的人工肩関節全置換術(TSA),リバース型人工肩関節全置換術(RSA)の術後成績を検討した.肩関節RAに対し人工肩関節全置換術を施行した4例5肩(TSA2例3肩,RSA2例2肩)を対象とし,評価項目は術前後のJOAスコア,術後可動域とした.対象の手術時平均年齢は69.8歳,術後経過観察期間は平均21.6か月であった.術前MRIではTSAの全例で腱板損傷は認めず、RSAの全例で広範囲腱板断裂を認めた.術前後のJOAスコアでは全例で疼痛スコアの改善を認めた.自動屈曲・外転可動域はTSAの2肩では術前後で変化なく,1肩で悪化していたのに対し,RSAでは2肩とも術後改善を認め,最終経過観察時には120°と良好な成績となった.RAに対する人工肩関節全置換術は疼痛の改善に有効であり,特にRSAは広範囲腱板断裂を伴う症例に対しても疼痛だけでなく可動域の改善も期待できる可能性があると考えられた.