肩関節
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筋腱疾患
テープ型縫合糸を用いた鏡視下腱板修復術の治療成績
植村 剛福田 亜紀森田 哲正
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2023 年 47 巻 1 号 p. 122-124

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抄録

 腱板断裂に対してSutureTape2本付きアンカーを用いた鏡視下腱板修復術(ARCR)の治療成績を報告する.Suture bridge法でARCRを施行し,術後1年以上経過観察が可能であった34肩(男性26例,女性8例,平均年齢59.6歳)を対象とした.術前断裂サイズで2群(不全・小・中断裂;PSM群;15肩,大・広範囲断裂;LM群;19肩)に分けて術前後の可動域(屈曲,外旋),JOAスコア,再断裂率をそれぞれ検討した.屈曲は両群とも有意に改善,外旋は両群ともに改善したがLM群のみ有意に改善した.JOAスコアは両群とも有意に改善した.再断裂率はPSM群で1肩(6.7%),LM群で2肩(10.5%)であった.テープ型縫合糸は2号高強度糸と比較しバイオメカニクス的研究で優位性が示されている.腱板の引き込みが大きく修復部に大きな負荷がかかる腱板大・広範囲断裂においてテープ型縫合糸は腱板修復に有利に働く可能性があり,使用を検討してもよいと思われた.

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© 2023 日本肩関節学会
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