抄録
75歳以上の後期高齢者(O群)の腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の治療成績を,75歳未満(Y群)と比較検討した.対象は2019~2022年にARCRを受けた29例29肩(O群10例/Y群19例)で,検討項目は術前と術後1年の自動関節可動域(Range of motion: ROM),VAS(夜間/安静/動作/圧痛),臨床スコア(JOA /Constant/ ASES/UCLA),再断裂とした.ROMは両群の前方挙上(O群術前123.5° から術後150.5° ,Y群129.2° から術後157.4° ),O群の下垂位外旋(術前41.5° から術後58.5° )で有意に改善した.VASはO群の安静・圧痛以外有意に改善した.臨床スコアは全て両群有意に改善した(JOAスコア: O群術前67.6点から術後96.3点,Y群術前70.3点から術後95.8点).再断裂率はO群10%,Y群16%で有意差はなかった.全ての検討項目で術後1年の両群間に有意差は無かった.O群のARCR術後1年のROMとVAS,臨床スコア,再断裂率は全てY群と同程度良好であり,高齢でも手術を検討しても良いと考えられた.