2025 年 49 巻 1 号 p. 287-291
異なるアプローチや三角筋断裂部への処置を併用したリバース型人工肩関節置換術を3例経験した.①76歳男性. 転倒受傷後の右腱板断裂性肩関節症と幅38mmの三角筋中部線維断裂に対しRSAを行った.三角筋前方線維付着部を一部切離して断裂部より展開し最後に肩峰へ骨縫合した.術後1年半で三角筋修復部は陥凹し自動挙上35°であった.②59歳男性.左肩広範囲腱板断裂と25mmの三角筋中部線維断裂に対し三角筋大胸筋間アプローチでRSAを行い,三角筋断裂部は別皮切から修復した.感染のため再置換を要したが,術後2年で自動挙上150°であった.③72歳男性.腱板修復術後の再断裂症例で右腱板断裂性肩関節症と27mmの三角筋中部線維断裂に対し三角筋大胸筋間アプローチでRSAを施行し三角筋断裂部は放置した.術後2年で自動挙上155°であった.RSAによる骨頭上方化制動と,自動挙上初期に働く前方線維の機能温存が重要で,断裂した中部線維の修復は必ずしも必要でないと考えた.