共催: 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 電気学会
室内竜巻発生装置を正確に再現した数値モデルを作成し,LES乱流モデルを用いて代表的な二つのタイプの竜巻状渦を発生させ,その詳細な流れ構造と発生メカニズムを調べた。数値竜巻発生装置により室内実験と同じ形状の竜巻状渦を発生させることができ,接線方向と鉛直方向の平均風速は室内実験結果とよく一致した。また,スワール比が小さいケースでは1セル型渦を形成し,渦中心に大きな上昇流が生じ,その最大値は1.8Vcに達する。一方,スワール比が大きいケースでは2セル型渦を形成し,接線方向風速は地表面付近で増大し、その最大値は1.4Vcに達する。軸対称時間平均ナビエ・ストークス方程式の各項を調べることにより,1セル型渦の渦中心に発生する大きな上昇流は鉛直方向の圧力勾配によって生じていることがわかった。また,2セル型渦の接線方向風速の地表面付近での増速は,地表面付近において鉛直方向の移流項に生じていることを明らかにした。