共催: 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 電気学会
本論は、建築物荷重指針で定められている地表面粗度区分ごとの風速プロファイルを有する強風変動風速場の中で、小石を想定した球状物体が高度50mから落下した場合の飛散状況を数値実験で求めることにより、地表面粗度区分が球状物体の飛散状況に及ぼす影響について検証した。さらに、平均風向の変動風速に鉛直横方向の変動風速を加えた変動風速場で飛散シミュレーションを行うことで、鉛直横方向の変動風速が飛散状況に及ぼす影響を検証した。飛散の統計的な特性を推定するために飛散シミュレーションの試行回数を10,000回とした。本シミュレーション結果では、粗度区分が小さいほど飛散距離の最大、最小及びアンサンブル平均は大きくなり、飛散距離の標準偏差が大きくなることがわかった。また、変動風速w成分は飛散物の落下までの滞空時間を変化させる傾向があるが、飛跡や飛散距離の標準偏差にはあまり影響がないことがわかった。