共催: 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 電気学会
近年,竜巻等の突風を受ける電車などに生じる非定常空気力の影響が注目されているが,電車や建物などに影響を及ぼす突風の観測記録はほとんどなく,その特徴は明らかになっていない。本論ではNeWMeKで蓄積された1秒平均風速記録をもとに,立ち上がり時間の短い突風を定量的に選別する手法を検討し,一例として電車車輌を仮定した奥行き3mの構造物にオーバーシュート風力が発生する気象条件を基準に突風を選出した。前線通過などの非台風時だけでなく台風通過時の強風下でも立ち上がり時間の短い突風が発生し,突風の発生には局所地形の影響があることが分かった。突風を受ける物体の形状や大きさによって,物体に生じるオーバーシュート現象には違いがあるため,突風の定義やその選出条件の根拠や妥当性を見極める必要があるが,オーバーシュート現象の発生に着目した本手法は突風を定量的に選出する方法となる。