共催: 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 電気学会
近年,市街地に計画される建築物は,敷地や法規等の制約からセットバックなど複雑な形状を多くなり,外装材等の検討のため,これらの形状に応じたデータの必要性が高まっている。しかし,現在の基規準で定められる外圧係数は矩形形状や隅切り等の平面形状の変化に対応しているがセットバック等には適用が困難で,設計者に対して誤解を与えかねない。特にセットバックの入隅部は風向によっては水平と鉛直方向からの流れが縮流する可能性があり,外装材風荷重の評価には十分な注意が必要である。更に,この領域の局部負圧を定める見付幅は,高層か低層部のみで評価するか,安全側として建物全体で評価する必要性も考えられる。また,既存研究では,魏,石橋らが階段状の中層建物の検討を行っているがセットバックの形状変化による検討は見られない。 本報ではセットバックした基本的な建築物形状の外圧係数を検討し,日本建築学会荷重指針・同解説(以後,荷重指針)との比較,各領域におけるピーク外圧係数の評価を行った。